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2019/05/16

和漢三才図会巻第三十九 鼠類 麝香鼠(じやかうねづみ)(ジャコウネズミ)

Jyakounezumi

 

 

じやかうねすみ

麝香鼠

 

△按肥州長崎有異鼠俗呼曰麝香鼠大如家鼠之小者

 而喙尖毎出庭砌厨下竊食物其體有臭氣而不可近

 猫亦惡臭不欲捕之其香雖不似于麝而有謂靈猫號

 麝香猫對之名爾矣近世來於外國惟有長崎未蕃息

 于余國者何耶

 

 

じやかうねずみ

麝香鼠

 

△按ずるに、肥州長崎、異鼠、有り。俗に呼んで「麝香鼠」と曰ふ。大いさ、家鼠の小さき者のごとく、喙〔(くちさき)〕、尖る。毎〔(つね)〕に庭〔の〕砌〔(みぎり)〕[やぶちゃん注:軒先の雨滴の落ちる際(きわ)。]・厨〔(くりや)の〕下に出でて、食物を竊〔(ぬす)〕む。其の體〔(からだ)〕、臭〔き〕氣〔(かざ)〕有りて、近づくべからず。猫も亦、臭きを惡〔(にく)〕みて、之れを捕ることを欲さず。其の香、麝に似ずと雖も、「靈猫」を謂ひて「麝香猫」と號〔(なづ)〕くる有〔るを〕、之れに對して〔も〕名づくるのみ。近世、外國より來たり、惟だ、長崎に〔のみ〕有りて、未だ、余國に蕃息〔(はんしよく)〕[やぶちゃん注:繁殖。]せざるは何ぞや。

[やぶちゃん注:モグラ(食虫類)の仲間である哺乳綱獣亜綱トガリネズミ目トガリネズミ科ジャコウネズミ属ジャコウネズミ Suncus murinusウィキの「ジャコウネズミ」を引く。『ネズミ類ではないことを強調するため』、種名の「スンクス」で呼ばれることも多い。なお、『英文学の翻訳で齧歯目のマスクラット』(齧歯(ネズミ)目ネズミ科ハタネズミ亜科マスクラット属マスクラット Ondatra zibethicus:英名「Muskrat」。アメリカ合衆国・カナダに自然分布し、ヨーロッパ・ロシア・日本などに移入。沼などに棲息する三十センチメートルほどの大型の黒いネズミで臭腺(肛門腺)を有する)『をジャコウネズミと翻訳していることがままあるため、注意を要する』。『東南アジア原産だが、アフリカ東部やミクロネシア等にも人為的に移入している。日本では長崎県、鹿児島県及び南西諸島に分布するが、長崎県及び鹿児島県の個体群は帰化種、南西諸島の個体群は自然分布とされているが』、『はっきりとしていない』。サバンナや『森林、農耕地、人家等に生息する』。体長十二~十六センチメートル、尾長六~八センチメートル、体重は♂で四十五~八十グラム、♀で三十~五十グラム。♀よりも♂の『方が大型になる。腹側や体側に匂いを出す分泌腺(』麝香『腺)を持つことからこう呼ばれる』(良安も書いている通り、かなり臭いらしい)。『吻端は尖る。尾は太短く、まだらに毛が生え、可動域は狭い』。『食性は肉食性の強い雑食性で昆虫類、節足動物、ミミズ等を食べるが』、『植物質を摂取することもある。よく動くが、その動作は機敏とは言い難い。繁殖形態は胎生で』、一『回に』三~六『匹の幼体を出産する。子育ての時には』、『幼体は別の幼体や親の尾の基部を咥』(くわ)『え、数珠繋ぎになって移動する(キャラバン』(caravan)『行動)』(キャラバン行動は生後五日から二十二日齢辺りまでしか見ることができないと飼育者の記事にあった。動画は短いが、mekadalab氏の「ジャコウネズミhouse shrew / キャラバン行動Caravan behaviorpart 1)」がよく、FLY MEDIA氏の「毛の生えたムカデ? よく見て ネズミのキャラバン」(中国のものを転載しているようだが)も必見)。『日本産のものを亜種リュウキュウジャコウネズミ』(Suncus murinus temmincki)『とする説がある』。『人間の貨物等に紛れて分布を拡大しており、アフリカ東部やミクロネシアなどにも分布する。日本に分布する亜種リュウキュウジャコウネズミの起源は古く、史前帰化動物と考えられている』。「吐く実験動物」として『利用される。実験動物としてイヌ、ネコなどは嘔吐するが』、『大型であり、ウサギ、ラット、マウスは小型で飼育しやすいが』、『嘔吐しない。ジャコウネズミは小型で、薬物や揺らすことで吐くため』、『嘔吐反射の研究に用いられるようになった。『肝硬変の実験のためエタノールを与えて飼育している際、吐いているスンクスを発見し』、『応用されることとなった』。『台湾では、人家の近くによく見られ「銭鼠」とよばれる』とある。

「靈猫」食肉目ネコ型亜目ジャコウネコ科 Viverridae のジャコウネコ(麝香猫)類の異名。ジャコウネコは「和漢三才圖會卷第三十八 獸類 靈貓(じやかうねこ)(ジャコウネコ)」を参照。但し、ジャコウネコは本邦にいないし、先生も含めて、当時、見たことがある人は、まず、おりません。私でさえ六十二年の間、一度もジャコウネコもジャコウネズミも生で生きたそれを見たことはないのです。そういう状況下でこういう風に判ったように記載するのは、あんまり意味を持たないと私は思うのですがね、如何ですか? 良安先生?]

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