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2019/05/16

和漢三才図会巻第三十九 鼠類 蟨鼠(けつそ)・鼵(とつ)(前者はトビネズミ)

Ketuso

 

 

けつそ

蟨鼠

 

本綱蟨頭目毛色皆似兎而爪足似鼠前足僅寸許後足

近尺尾亦長其端有毛一跳數足止卽蟨仆

[やぶちゃん注:「數足」は「本草綱目」では「數尺」。訓読ではそう訂する。]

孔叢子云北方有獸名蟨食得甘草必齧以遺蛩蛩駏驉

二獸見人來必負蟨以走二獸非愛蟨也爲其得甘艸以

遺之蟨非愛二獸也爲假足也蛩蛩【一名卭卭】靑色似馬獸也

駏驉【一名距虛】似驘而小獸也

――――――――――――――――――――――

【音突】

[やぶちゃん注:以下は原典では、上記項目の下に一字空け三行で載る。]

本綱首陽山西南鳥與鼠同穴其鳥曰䳜狀如

家雀而黃黒色其鼠曰鼵如家鼠而色小黃尾

短鳥居穴外鼠居穴内【圖見山禽部】

 

 

けつそ

蟨鼠

 

「本綱」、蟨、頭・目・毛色、皆、兎に似て、爪・足、鼠に似る。前足、僅か寸許〔り〕。後足、尺に近く、尾も亦、長く、其の端に、毛、有り。一跳び、數尺にして、止るときは、卽ち、蟨(つまづ)き、仆〔(たふ)〕る。

「孔叢子」に云はく、『北方に獸有り、「蟨」と名づく。甘草を食ひ得る〔も〕、必ず、齧りて、以つて、遺(のこ)す。「蛩蛩〔(きようきょう)〕」・「駏驉〔(きよきよ)〕」、二獸、人〔の〕來たるを見ては、必ず、蟨を負ひて、以つて、走る。二獸、蟨を愛するに非ず、其れ、甘艸を得て、以つて、之れを遺すが爲めなり。蟨〔も亦〕二獸を愛するに非ず、〔その〕足を假りんが爲めなり。蛩蛩【一名「卭卭〔(きようきよう)〕」。】は靑色、馬に似たる獸なり。駏驉【一名「距虛」。】は驘〔(らば)〕に似て、小獸なり』〔と〕。

――――――――――――――――――――――

【音「突」。】

「本綱」、首陽山の西南に、鳥と鼠と穴を同〔じうす〕。其の鳥、「䳜〔(よ)〕」と曰ひ、狀、家雀に似て、黃黒色。其の鼠、「鼵」と曰ひ、家鼠のごとくにして、色、小〔(すこ)し〕黃。尾、短し。鳥は穴の外に居し、鼠は穴の内に居す【圖、山禽部に見ゆ。】。

[やぶちゃん注:齧歯(ネズミ)目ネズミ上科トビネズミ科 Dipodidae のトビネズミ(跳鼠)であろう。ウィキの「トビネズミ」によれば、トビネズミ科には十一属三十種が属し(ミユビトビネズミ属 Jaculus・イツユビトビネズミ属 Allactaga 等)、体長は四~二十六センチメートルで、『北アフリカから東アジアにかけて、砂漠などの乾燥地帯に生息する。後ろ足が長く、二本足で立ち、カンガルーのように跳躍して移動する』。『一跳びで』三メートル『程度』、『跳躍できる』(時珍は跳躍距離を約一「尺」(三十センチメートル)とするが、機械的に体長を最小の四センチメートルとして比例計算すると、飛距離四十六センチメートルになり、時珍は体調をさらに小さい約一「寸」(三センチメートル)とするのだから腑に落ちる範囲である)。『体長と同程度の長いヒゲをもつ。高く飛び上がったとき以外は、このヒゲが地面に触れており、障害物や食物の有無など』、『地表の様子を触覚から探知している。夜行性であり、気温の高い昼間は地中に掘った巣穴の中で休み、涼しくなった夜間に外に出て、食物を摂る。主な食物は植物の若芽、根、種子などである。乾燥した環境に強く、ほとんど水分を摂らずに生活できる。体内の水分消費を最小限にするよう、尿は濃縮され、強い酸性を示す』とある。なお、今一つ、本文記載によく似た現生種として齧歯目ウロコオリス下目 Anomaluromorphaトビウサギ科トビウサギ属トビウサギ Pedetes capensis がおり(一属一種)、形状や運動性能及び植物食の強い雑食性もぴったりなのだが、残念ながら、トビウサギはアフリカ大陸東部と南部にしか棲息しない。

「孔叢子」「くざうし」とも読む。孔子やその弟子の言行を書き記した書で全三巻。漢の孔鮒の編とされるが、後世の偽作。

「甘草」マメ目マメ科マメ亜科カンゾウ属 Glycyrrhiza

「蛩蛩〔(きようきょう)〕」「卭卭〔(きようきょう)〕」「駏驉〔(きよきよ)〕」「距虛」中文サイトを見ると、孰れも伝説上の獣とし、一説に相互に区別がつかないほど似ているとも、同一の獣ともあり、この蟨鼠のこととともに記されある、というか、概ね、どこもその記載ばかりである。「百度百科」の「蛩蛩距虚」などには、明らかに比翼鳥よろしく、左右に半身状態で寄り添う二匹で一匹の奇体な四足獣の図像さえ掲げられてある(これ)。但し、次注も参照。

「驘〔(らば)〕」雄のロバと雌のウマの交雑種の家畜である奇蹄目ウマ科ウマ属ラバ Equus asinus × Equus caballus「和漢三才圖會卷第三十七 畜類 騾(ら)(ラバ/他にケッティ)」参照。ところが、そこには「牡牛、馬と交〔はりて〕生〔まれし〕者を、「驢」と爲す」とある。ウシとウマの間に出来るとする「驢」などという交雑種は昔も今も存在しないのだが、どうも「驢」とこの「」は字が似通っていて怪しいのだ。

「鼵」鳥鼠同穴ときて、以下の通りに実在地名まで出されても、ここに至っては、比定同定する気は私には全くない。悪しからず。検索しても中文サイトでもそれらしい奴らは見えてこない。

「首陽山」周初に伯夷・叔斉が隠れて餓死したと伝えられる山。その所在地は山西省永済市南の雷首山の他、諸説ある。

「䳜〔(よ)〕」「鵸鵌」に同じい。次注リンク先を参照。

「圖、山禽部に見ゆ」「和漢三才圖會卷第四十四 山禽類 鵸鵌(三ツがしらの鳥)(三頭六尾の雌雄同体の妖鳥)」の図を指している。何をか謂わんや、だ。]

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