はだかむすめ 伊良子清白
はだかむすめ
(浮世繪風に)
はだか娘は
千兩持むすめ
はだかなれども
あや錦
はだか娘は
海の精
靑い波間を
分けて入る
はだか娘は
寶をあさる
海の都の
たまあさる
はだか娘と
眞珠の貝は
波にもまれて
珠となる
裸むすめは
人魚か
しぼる濡髮
日に曝らす
はだかむすめよ
いつまではだか
金の解きがみ
櫛一つ
[やぶちゃん注:昭和六(一九三〇)年六月一日発行の『女性時代』(第二年第六号)に掲載。署名は「伊良子清白」。]