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2019/06/10

自然は人に近づきて すゞしろのや(伊良子清白)

 

自然は人に近づきて

 

自然は人に近づきて

握手の時を與へけり

破れたる窓に飛び來るは

小鳥にあらぬ木の葉なり。

 

木の葉を拂ふこと勿れ

蝴蝶の墓も草花の

少さき枕も其中に

葬り隱す庭の土。

 

かの美しきと盛なると

亡ぼして後冬の日は

若き命の新しき

聲と色とをもたらせり。

 

八つ手の花の散るところ

南天の實は赤らみて

庭石傳ひいとけなき

冬は笑ひて來りけり。

 

[やぶちゃん注:明治三三(一九〇〇)年十一月三日発行の『文星』(第四号)掲載。署名は「すゞしろのや」。この雑誌は、恐らく、この年の五月に四海堂から創刊された投稿雑誌と思われる。参照したサイト「大宅壮一文庫」の「創刊号コレクション明治収録雑誌一覧」によれば、社会・学界・詩学・美学・『時流文芸などを募集。投稿作品には文末に寸評を付して掲載』したとある。

「蝴蝶」蝶の美称である「胡蝶」に同じ。

「葬り」「はうふり」。

「かの美しきと盛なると」音数律から「かのくはしきとせいなると」と読んでおく。]

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