馬の夢
暫くいい夢を見なかった――一昨日金曜の夜、本当に久しぶりに書きたい夢を見た…………
*
僕は裏山の道を歩いている――
見知らぬロシア人のような貴婦人が、一頭の鮮やかな栗毛の馬を連れて向うからやってくる。馬は雌だ――
馬は僕の前で止まって、僕の右手の掌を頻りに舐める――
連れていた貴婦人は消えてしまった――
僕は馬の手綱を執ると、馬を連れてどこまでも海に向かって歩いてゆく…………
[やぶちゃん注:「裏山の道」は嘗て亡き次女と三女のアリスを散歩させた道である。「ロシア風の貴婦人」はアンドレイ・タルコフスキイの「アンドレイ・ルブリョフ」の鐘のシーンに出る聖母マリア風の女性とそっくりであった。馬はアリスだ。貴婦人は亡き母だと目覚めた瞬間に悟った。馬への変換は鬣を切られた名馬のニュースをテレビで見たからだろう。……しかし、この夢は何かの予兆のような気がしてならない。…………]
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