フォト

カテゴリー

The Picture of Dorian Gray

  • Sans Souci
    畢竟惨めなる自身の肖像

Alice's Adventures in Wonderland

  • ふぅむ♡
    僕の三女アリスのアルバム

忘れ得ぬ人々:写真版

  • 縄文の母子像 後影
    ブログ・カテゴリの「忘れ得ぬ人々」の写真版

Exlibris Puer Eternus

  • 吾輩ハ僕ノ頗ル氣ニ入ツタ教ヘ子ノ猫デアル
    僕が立ち止まって振り向いた君のArt

SCULPTING IN TIME

  • 熊野波速玉大社牛王符
    写真帖とコレクションから

Pierre Bonnard Histoires Naturelles

  • 樹々の一家   Une famille d'arbres
    Jules Renard “Histoires Naturelles”の Pierre Bonnard に拠る全挿絵 岸田国士訳本文は以下 http://yab.o.oo7.jp/haku.html

僕の視線の中のCaspar David Friedrich

  • 海辺の月の出(部分)
    1996年ドイツにて撮影

シリエトク日記写真版

  • 地の涯の岬
    2010年8月1日~5日の知床旅情(2010年8月8日~16日のブログ「シリエトク日記」他全18篇を参照されたい)

氷國絶佳瀧篇

  • Gullfoss
    2008年8月9日~18日のアイスランド瀧紀行(2008年8月19日~21日のブログ「氷國絶佳」全11篇を参照されたい)

Air de Tasmania

  • タスマニアの幸せなコバヤシチヨジ
    2007年12月23~30日 タスマニアにて (2008年1月1日及び2日のブログ「タスマニア紀行」全8篇を参照されたい)

僕の見た三丁目の夕日

  • blog-2007-7-29
    遠き日の僕の絵日記から

サイト増設コンテンツ及びブログ掲載の特異点テクスト等一覧(2008年1月以降)

無料ブログはココログ

« 北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 斷章 四十八 | トップページ | 北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 斷章 五十 »

2020/06/11

北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 斷章 四十九

 

  四 十 九

 

あはれ、人妻、

ふたつなきフランチエスカの物語

かたらふひまもみどり兒は聲を立てつつ、

かたはらを匍ひもてありく、

君はまた、たださりげなし。

あはれ、人妻。

 

[やぶちゃん注:「フランチエスカの物語」イタリアの巨匠ダンテ・アリギエーリ(Dante Alighieri 一二六五年~一三二一年)の叙事詩「神曲」(La Divina Commedia:一三二一年)に登場させたことでとみに知られる、ダンテ・アリギエーリの同時代人であったラヴェンナ領主グイド・ダ・ポレンタの娘フランチェスカ・ダ・リミニ(Francesca da Rimini  一二五五年~一二八五年)。ウィキの「フランチェスカ・ダ・リミニ」によれば、『グイド・ダ・ポレンタは、マラテスタ家との争いを終わらせるため、娘フランチェスカをリミニ領主ジョヴァンニ・マラテスタ(ジャンチョットとも)へ嫁がせることとした。ジョヴァンニは勇猛だが、足が不自由で容姿は醜かった。グイドは、フランチェスカがジョヴァンニを嫌ったことを知り、ジョヴァンニのハンサムな弟パオロ・マラテスタを代理人として結婚式を執り行った』。『フランチェスカとパオロは恋に落ち、フランチェスカは結婚式翌日の朝まで、自分が騙されたことに気づかなかった』。『ある時、フランチェスカとパオロは』、二『人でランスロットとグイネヴィア王妃の物語を読んでいるうちに互いに惹かれ合い、不意にパオロはフランチェスカを抱き寄せた。その直後』、二『人の密会を物陰から盗み見ていたジョヴァンニにより』、二『人は殺され』てしまった。因みに、白秋は本詩集刊行の前年である明治四三(一九一〇)年九月、青山原宿に転居したが、そこで隣人であった新聞記者松下俊子と恋に落ちていた(俊子は松下某の夫人で夫とは別居中の人妻であった)。本書刊行の翌年、明治四五(一九一二)年七月(この月末の七月三十日に大正に改元)、俊子が白秋のもとに走ったため、二人は夫から姦通罪によって告訴され、白秋は二週間市ヶ谷未決監に拘置された。二週間後の八月中に弟らの尽力により釈放され、示談も成立して告訴が取り下げられ、無罪放免となったが、既に人気詩人となっていた白秋は「文芸の汚辱者」として一気に地に堕ちることとなるのである(後、大正二年四月には夫と離別した俊子と結婚するが、うまく行かず、翌大正三年七月に離婚している)。

« 北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 斷章 四十八 | トップページ | 北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 斷章 五十 »