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2020/06/16

北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 毛蟲

 

毛蟲

 

毛蟲、毛蟲、靑い毛蟲、

そなたは何處(どこ)へ匍ふてゆく、

夏の日くれの磨硝子(すりがらす)

薄く曇れる冷(つめ)たさに

幽(かすか)に幽(かすか)にその腹部(はら)の透いて傳(つた)はる美しさ。

外の光のさみしいか、

内の小笛のこいしいか、

毛蟲、毛蟲、靑い毛蟲、

そなたはひとり何處へゆく。

 

[やぶちゃん注:「こいしい」はママ。

「靑い毛蟲」種は同定出来ない。何故なら、まずここで言っている「靑」が実際の濃い青であるのかどうかが、不明だからである。我々は全く以って緑色なのに馴染みのそれらを藩無意識的に「青虫」と総称して呼称している(「緑虫」とは絶対に言わない)。さらにその馴染みの「青虫」のように体表に棘を持たないそれらも実は無意識に「毛虫」と呼ぶ傾向を実は大いに皆、持っている。しかして、この「靑い毛蟲」では色も実は判らず、毛があるのかどうかも判然としないのだ。但し、「幽(かすか)に幽(かすか)にその腹部(はら)の透いて傳(つた)はる美しさ」という表現は、毛(棘)が全くない「芋虫」(実際には全くないものはそれほど多くないように思われる)、或いはごく短いか(いわゆる「青虫」の類は拡大してみると、殆んど細かな短い毛が生えている)、或いは、虫体の上部背面のみに棘が集中していて下腹部には毛がなく、表皮が露出している可能性もあるからである。これが昆虫愛好家ならば、それぞれの条件下で複数の適切な複数の種を提示されるであろうが、残念ながら私は生理的に陸生昆虫類が苦手なのである。それでもネット上の複数のケムシ・イモムシの図鑑を調べてはみたが、やっぱり、あかん! 気持ちが悪くなった。インセクターの方にお任せする。悪しからず。個人的には毛のない青虫をモデルとして仮想の空間の幻想のそれを想起してイメージする。それでよい詩篇であると思っている。]

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