北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 斷章 四十二
四 十 二
あかき果(み)は草に落ち、
露に濡れて、
日をひと日戰(をのの)きぬ、かくてまた香(か)だに立て得じ。
雨霽れて、日の射せば、甘く、かなしく、
物求食(あさ)り、物求食(あさ)り、寄りも來る音(ね)の
レグホンの雄の鷄(とり)の、あはれそがけたたましさよ。
[やぶちゃん注:「あさ」は「求食」二字へのルビ。]
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