北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 斷章 五十八
五 十 八
ほの靑く色ある硝子、
透かし見すれば
内部(うちら)なる耶蘇の龕(みづし)にひとすぢの香(かう)たちのぼる。
街(まち)をゆき、透かし見すれば
日の眞晝ものの靜かにほのかにも香たちのぼる。
[やぶちゃん注:「龕(みづし)」音「ガン」、読みは「御厨子」の当て読み。ここは西洋建築に於ける壁面を凹めた部分。]
« 北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 斷章 五十七 | トップページ | 北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 斷章 五十九 »