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2020/06/13

北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 椎の花

 

椎の花

 

木の花はほのかにちりぬ。

日もゆふべ、椎の片岡、

影さむみ、薄ら光に

君泣きぬ、われもすがりぬ。

髮の香か、目見(まみ)のうるみか、

衣(きぬ)そよぎ、裾にほそぼそ、

虫啼きぬ、──かかるうれひに。

 

ああ、かくて、君よいくとき、

かく縋(すが)り、かくや泣きけむ。

そのかみか、いまか、うつつか、

さて知らじさきの世のゆめ。

 

[やぶちゃん注:「椎」ブナ目ブナ科シイ属 Castanopsis で、本邦にはスダジイ Castanopsis sieboldii とツブラジイ Castanopsis cuspidata の二種が自生する。前者スダジイはシイ属中、最も北に進出してきた種であり、大きな木では樹皮に縦の割れ目を生ずる。福島県・新潟県佐渡島にまで植生する。果実は細長い(琉球諸島のスダジイを区別して亜種オキナワジイ  Castanopsis ssp. lutchuensis とする場合があるが、沖縄では伝統的に「イタジイ」の名が当地に植生するそれの和名として用いられてきている)。関東以西に分布し、果実は球形に近く、スダジイに比べると小さい。両者が共存する地域ではスダジイは海岸に近い一帯に、ツブラジイは内陸に出現することが多い。私はツブラジイは見たことが恐らく殆んどないし、見つけては実を食べるのを趣味としているが、食べたのは総てスダジイであった。参照したウィキの「シイ」によれば、シイは雌雄同株で、葉は二列配列で基部は歪型となり、星状毛又は鱗片があって、『多くの種に鋸歯がある。花は雌雄別花序で、雄花は腋生の尾状花序』を呈し、『雌花は腋生の穂状花序で花序の軸に』一、三個乃至は七個ずつ附く。『花柱は棍棒状で』一本或いは三本あり、退化した雄蕊が十から十二基ある。『堅果は翌年に熟し、一つの枝に数個が並ぶ。殻斗』(かくと:包葉が集って癒合して形成する椀状或いは毬(まり)状の器官で、所謂、「どんぐり」の「椀」(帽子)や、栗の「毬(いが)」などが相当する。ブナ科 Fagaceae の植物に多く見られる)『に全てあるいは中央部以下を包み込まれている』。ブナ科の常緑高木の一群の『カシ類の多くが』、『風媒花で花びら等を持たないのと同じ構造であるが、シイの雄花は枝先に密生し』、『全体が黄色に明るく色づく虫媒花で』、『近縁のクリ属』クリ属 Castanea(本邦産の代表種である「クリ」はカスタネア・クレナータ Castanea crenata という)『の雄花に似た生臭い香りが強く』(但し、遠く離れて漂って香って際には甘い感じを覚える人もいる。私は遠くても臭いと感じてダメであった)『昆虫がよく集まる』とある。グーグル画像検索「シイ 花」をリンクさせておく。なお、ネット上では――クリやシイの独特のスペルマ(ドイツ語:SpermaSamen。精液)に似た生臭さは精液と同じ成分ポリアミン (polyamine)の一種であるスペルミン(SperurmineC10H26H4)を含むからである――という記載が大手を振っている(実は私も甞てはそう信じていたので自戒を含めてここに記しているのである)のだが、これは都市伝説の類いであって、現在では栗の花の香気成分の正体は不飽和アルデヒド(Unsaturated Aldehyde:炭素–炭素不飽和結合 (芳香環は除く) を持つアルデヒド類)や不飽和カルボニル(carbonyl)化合物であるという化学論文(クリの花から水蒸気蒸留法によって抽出した精油に関する分析で、十種のエステルをはじめ、四種のアルコールと九種のアルデヒドを含む計二十八種類の成分が検出されたとあるらしい)が二〇一一年に中国で出されているという。この最後の部分はおち氏のサイト「おち研」の『「栗の花の匂い物質は精液と同じくスペルミンが原因」はデマ』に拠った。リンク先には当該論文(英語)へのリンクもある。

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