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2020/06/16

北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 靑いとんぼ

 

靑いとんぼ

 

靑いとんぼの眼を見れば

綠の、銀の、エメロウド、

靑いとんぼの薄き翅(はね)

燈心草(とうしんさう)の穗に光る。

 

靑いとんぼの飛びゆくは

魔法つかひの手練(てだれ)かな。

靑いとんぼを捕ふれば

女役者の肌ざはり。

 

靑いとんぼの奇麗さは

手に觸(さは)るすら恐ろしく、

靑いとんぼの落(おち)つきは

眼にねたきまで憎々し。

 

靑いとんぼをきりきりと

夏の雪駄で蹈みつぶす。

 

[やぶちゃん注:「靑いとんぼ」とあるQ&Aサイトの本篇の種に対する質問への回答は、トンボ目不均翅(トンボ)亜目ヤンマ科ルリボシヤンマ属ルリボシヤンマ亜種ルリボシヤンマ Aeshna juncea juncea と比定推定があった。その回答は、『体の青いことと目の描写に近いのはルリボシヤンマです。光の弱いときや見る角度によってエメラルド色の目に部分的に緑色に見えたり、銀色に見えたりします』とあった。但し、とすれば、この詩篇は故郷柳川の少年時の記憶ではないことになる。ウィキの「ルリボシヤンマ」によれば、同種は九州での棲息は確認されていないからである。しかし、それは恐らく問題ではない。ズバり、ヤンマ科アオヤンマ属アオヤンマ Aeschnophlebia longistigma もいるのだが、古河義仁氏のブログ「ホタルの独り言 Part 2」の「アオヤンマ」によれば、『日本のアオヤンマ属は、アオヤンマとネアカヨシヤンマ』Aeschnophlebia anisoptera の二種のみであるが、こちらも『本種は、北海道から九州まで生息しているが、九州はごく一部の県でしか確認されていない』とある。添えられた写真はまことに美しい。そのような白秋の幻想の「靑いとんぼ」で私はいいのだと思う。

「エメロウド」エメラルド(emerald)。]

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