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2020/06/29

北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 韮の葉

 

韮の葉

 

芝居小屋の土間のむしろに

いらいら泌みるものあり。

畑(はたけ)の土のにほひか、

昨日(きのふ)の雨のしめりか。

あかあかと阿波の鳴戶の巡禮が

泣けば…………ころべば…………韮(にら)の葉が…………

 

芝居小屋の土間のむしろに、

ちんちろりんと鳴いつる。

廉(やす)おしろひのにほひか、

けふの入日の顫へか、

あかあかと、母のお弓がチヨボにのり

泣けば…………なげけば…………蟲の音が…………

 

芝居小屋の土間のむしろに

何時しか泌みて芽に出(づ)る

まだありなしの韮の葉。

 

[やぶちゃん注:「韮」単子葉植物綱キジカクシ目ヒガンバナ科ネギ属ニラ Allium tuberosum

「鳴いつる」「なきいつる」であるが、やや不審。「鳴き居つる」と存続或いは確述の助動詞「つ」の連体止めによる余韻の用法ならば、「ゐつる」でないとおかしい。幾つかの刊本を見るに、「鳴いづる」としており、それが一番しっくりはくるものの、後の昭和三(一九二八)年アルス刊の北原白秋自身の編著になる自身の詩集集成の一つである「白秋詩集Ⅱ」の本篇(国立国会図書館デジタルコレクションの当該ページ画像)でも「鳴いつる」のママであるので、そのまま電子化した。

「お弓」不詳。

「チヨボ」浄瑠璃や歌舞伎の劇場で義太夫節を演奏する場所。通常、舞台上手の上部に設けられており、簾 () が掛けられて客席からは見えないようになっている。]

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