北原白秋 抒情小曲集 おもひで (初版原拠版) 斷章 三十二
三 十 二
わが友は色あかき酒を飮みにき、
われはサイダア、
あはれかかる淡(あは)つけき愁(うれひ)もて
わかき日をや泣かむとする、弱き子の心ぼそさよ。
[やぶちゃん注:「淡つけき」は「心・動作・素振りなどが軽々しい、落ち着きがない」「思慮が足りない」の意。「淡つけし」は平安以来の古語「関心のないさま・気が乗らないさま」を意味する形容動詞「淡つかなり」と同語源かとされる。]
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