今日、先生ばかりでなく、Kも同じく『故郷喪失者』となる――Kのプロフィル(Ⅱ)
『東京朝日新聞』大正3(1914)年7月7日(火曜日)掲載 夏目漱石作「心」「先生の遺書」第七十五回
*
◎Kのプロフィル(Ⅱ)
・Kは自尊心・自立心が強い
→極めて自律的な存在としてのKに先生は何処かで自分にはないタイプの精神の「強さ」を見、羨ましさ(嫉妬)を抱いている
・Kが「剛情」であるのは継母(生母とは死別)に育てられた結果であろうという私の推測
→Kには母性愛の欠損及び抑圧され変形したエディプス・コンプレクスがあると考えてよい(それは漱石の生活史と重なる)
« 三州奇談續編卷之六 八幡の怪婚 | トップページ | 三州奇談續編卷之六 怪飜銷ㇾ怪 / 三州奇談續編卷之六~了 »