大和本草卷之十三 魚之下 䱒(しほうを) (塩漬け)
䱒 塩漬魚ナリ鯛鱖鱒大口魚鰷鯔等皆佳ナリ久ニ
堪フ塩引ニ乄乾シ薄聶テ乾堅魚ノ小片ト同シク酒
ニ浸シ食フ酒ビテト云鱖最ヨシ油多キハ病人ニイム痰ヲ
聚ム大口魚性尤カロシ
○やぶちゃんの書き下し文
䱒(しほうを) 塩に漬〔(ひた)〕す魚なり。鯛・鱖〔(さけ)〕・鱒・大口魚・(たら)・鰷〔(はや)〕・鯔〔(ぼら)〕等、皆、佳なり。久〔(ひさしき)〕に堪ふ。塩引〔(しほびき)〕にして乾し、薄く聶(へ)ぎて乾す。堅魚(かつを)の小片と同じく、酒に浸し、食ふ。「酒びて」と云ふ。鱖、最もよし。油多きは、病人に、いむ。痰を聚〔(あつ)〕む。大口魚、性、尤も、かろし。
[やぶちゃん注:広義のガッツり仕込んだ塩漬けである。
『「酒びて」と云ふ。鱖、最もよし』「鮭の酒びたし」として良く知られ、私も大好物である。]
« 大和本草卷之十三 魚之下 糟魚麹魚 (粕漬け・麹漬け) | トップページ | 大和本草卷之十三 魚之下 ビリリ (神聖苦味薬) / 「大和本草」の水族の部~本巻分終了 »