北原白秋 邪宗門 正規表現版 一炷 / 「天艸雅歌」パート~了
一 炷
香爐(かうろ)いま
一炷(いつす)のかをり。
あはれ、火はこころのそこに。
さあれ、その
一炷(いつす)のけむり、
かの空(そら)の靑き龕(みづし)に。
[やぶちゃん注:「一炷」「一炷(いつす)」香を一炷(ひとた)き薫(くゆ)らすこと。また、その一薫(ひとくゆ)り。読みは「いつしゆ(いっしゅ)」「いつちゆう(いっちゅう)」だが、拗音を嫌ってかくしたもののようで、前者が発音上、かく変化することは特に不審とは思われない。
本篇を以って「天艸雅歌」パートは終わっている。]
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