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2020/11/05

堀内元鎧 信濃奇談 卷の上 三足鷄

 

 三足鷄

 近き頃大泉(おいづみ)[やぶちゃん注:これは底本編者によるルビ。]村の、ある家にて、三足〔みつあし〕の鷄〔にはとり〕を生じぬ。

 「輟耕錄」には三足の鷄および四足の鷄の事、見えたり。されば、怖〔あや〕しげなる事なれども、絕〔たえ〕てなき事にもあらず。「高井郡にも四足の鷄を生ぜし事あり」と、門人市村逸齋、語りき。

 

[やぶちゃん注:標題「三足鷄」も「みつあしのにはとり」と読んでおく。多肢奇形として後肢が三本ある個体が生まれることは結構あるようであるが、通常は立って歩くことが困難で、成鳥になることは難しい。伝承や怪奇談に化鳥として、鶏を含め、三足の鳥や鴉が登場することはままあるが、これらは実在する奇形個体ではなく、殆どが架空の変化(へんげ)の物の怪である。

「大泉(おいづみ)村」向山氏の補註に『現、長野県上伊那郡南箕輪村大泉』とある。ここ(グーグル・マップ・データ)。地図サイト「Mapin」では「おおいずみ」であるが、ルート・サイト「NAVITIME」、及び、サイト「住所の読み方〈難読地名対応〉」の「南箕輪村について」という詳細解説の地名の項に「大泉(おいずみ)」とあるから、本編の通り、旧来より「おいづみ」と読まれていたと考えてよかろう。

「輟耕錄」元末明初の文人陶宗儀(一三二九年~一四一〇年)は若き日に科挙試を受けたものの不合格となり、その後、仕官をせず、自律的に学問に励み、松江の東北にある泗涇鎮(しけいちん:上海市松江区泗涇鎮。現在の上海市街の南西に当たる。グーグル・マップ・データ)に隠居し、「南村」と号し、農耕をしながら、その余暇に書き貯めた(書名はそれに由来)随筆を纏めたもの。一三六六年成立。全三十巻。同記載は巻十五に以下のように出る。

   *

雞妖至正丁酉春三月、上海李勝家、一雞伏七雛、一雛作大雞狀、鼓翼長鳴。明年戊戌春正月、錢唐盧子明家、一雞伏九雛、一雛有三足、二足在前、一足在後。三月、諸暨袁彥城家、一雞伏五雛、一雛有四足、二足在翼下。不數日皆死、而各家亦無他異。

   *

「丁酉」(ていいう(ていゆう))は元の至正一七(一三五七)年になる。翌年が「戊戌」(ぼじゆつ(ぼじゅつ))。「諸暨」は「しよき(しょき)」で、地名で、現在の浙江省紹興市諸曁市(グーグル・マップ・データ)。

「高井郡」現在の須坂市・上高井郡・下高井郡の全域他。この付近(今昔マップ)。

「門人市村逸齋」話者中村元恒の門人。不詳。]

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