北原白秋 邪宗門 正規表現版 失くしつる・目次・(装幀・引用・彫版等氏名)・奥附 / 北原白秋 邪宗門 正規表現版~了
失くしつる
失(な)くしつる。
さはあるべくもおもはれね。
またある日には、
探(さが)しなば、なほあるごともおもはるる。
色靑き眞珠(しんじゆ)のたまよ。
四十一年七月
畢
[やぶちゃん注:以下、「目次」であるが、ページ数とリーダは必要性がないので省略した。「国文学研究資料館電子資料館」の「近代文献情報データベース」の「ポータル近代書誌・近代画像データベース」の原本(実物)画像を見て戴きたいが、各詩篇標題は原本では有意な字下げが行われている。それに見かけ上は合うようにしたつもりである。但し、詩篇標題の均等割付は無視した。]
邪宗門目次
魔 睡
邪宗門秘曲
室内庭園
陰影の瞳
赤き僧正
WHISKY
天鵝絨のにほひ
濃霧
赤き花の魔睡
麥の香
曇日
秋の瞳
空に真赤な
秋のをはり
十月の顔
接吻の時
濁江の空
魔國のたそがれ
蜜の室
酒と煙草に
鈴の音
夢の奥
窓
昨日と今日と
わかき日
朱の伴奏
謀叛
こほろぎ
序樂
納曾利
ほのかにひとつ
耽溺
といき
黑船
地平
ふえのね
下枝のゆらぎ
雨の日ぐらし
狂人の音樂
風のあと
月の出
外光と印象
冷めがたの印象
赤子
暮春
噴水の印象
顏の印象
A 精舍
B 狂へる街
C 醋の甕
D 沈丁花
E 不調子
F 赤き恐怖
盲ひし沼
靑き光
樅のふたもと
夕日のにほひ
浴室
入日の壁
狂へる椿
吊橋のにほひ
硝子切るひと
悪の窻
一 狂念
二 疲れ
三 薄暮の負傷
四 象のにほひ
五 惡のそびら
六 薄暮の印象
七 うめき
蟻
華のかげ
幽閉
鉛の室
眞晝
天草雅歌
天草雅歌
角を吹け
ほのかなる蠟の火に
艫を拔けよ
汝にささぐ
ただ秘めよ
さならずば
嗅煙艸
鵠
日ごとに
黃金向日葵
一炷
靑 き 花
靑き花
君
桑名
朝
紅玉
海邊の墓
渚の薔薇
紐
晝
夕
羅曼底の瞳
古 酒
戀慕ながし
煙草
舗石
驟雨前
解纜
日ざかり
軟風
大寺
ひらめき
立秋
玻璃罎
微笑
砂道
凋落
晩秋
あかき木の實
かへりみ
なわすれぐさ
わかき日の夢
よひやみ
一瞥
旅情
柑子
内陣
懶き島
灰色の壁
失くしつる
邪宗門目次終
裝愼…………………………………………………石井柏亭
「エツキスリプリス」及「幼兒磔殺」………………………石井柏亭
插畫『澆季』……………………………………………石井柏亭
插畫『眞晝』……………………………………………山本 鼎
私信『四十一年七月廿一日便』………………………太田正雄
插畫『硝子吹く家』……………………………………石井柏亭
扉繪及欄畫十葉………………………………………石井柏亭
彫版…………………………………………………山本 鼎
[やぶちゃん注:字のポイントが変えてある。なるべく似たような感じになるようにはした。「国文学研究資料館電子資料館」の「近代文献情報データベース」の「ポータル近代書誌・近代画像データベース」の原本(実物)画像の以上のページをリンクさせておく。なお、リンク画像の左下にある「一三」とは、先の「目次」に始まるページの通し番号である(右ページは白紙でノンブル表示がないが、十二ページ目として数えてはいる)。
「裝愼」はママ。「裝幀」の誤植。リーダ数はブラウザでの不具合を考えて再現していない。例えば、最初の「裝愼」の後には実際には六十六のリーダが打たれており、下部(本電子化では右端部分)が綺麗に揃っている。技術上、それをやると微妙に実物と異なってしまうので、右インデントを施していない。
以下、奥附。上記のリンク先で示すので、字配・ポイントなどは無視して電子化する。]
明治四十二年三月 十日印刷
明治四十二年三月十五日發行
邪宗門奥附
定価壹圓
不許複製
著者 北原白秋
東京麹町區飯田町六町目廿四番地
發行者 西本波太
東京小石川區久堅町百八番地
印刷者 山田英二
東京小石川區久堅町百八番地
印刷所 博文館印刷所
東京麹町區飯田町六町目廿四番地
發行所 易風社
振替一二〇三四番