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2021/02/22

譚海 卷之三 波の宮御哥

 

○惇信院公方樣御臺所は波の宮と申奉る、閑院の宮の姫君にや。關東御下向の時隅田川へ御船遊山ありし時の御歌に、

 

  思ふ事なき身ながらも故鄕の猶なつかしき都鳥哉

 

[やぶちゃん注:和歌は前後を一行空けた。

「惇信院公方樣御臺所」第九代将軍徳川家重(在任:延享二(一七四五)年~宝暦一〇(一七六〇)年)の将軍世子時代に迎えた御簾中(ごれんじゅう:原則、江戸時代の将軍の世子と御三家の正室を呼ぶ際のみに用いた)増子女王(ますこじょおう 正徳元(一七一一)年~享保一八(一七三三)年)。伏見宮邦永親王第四王女。幼称は比宮(なみのみや)。院号は證明院(しょうめいいん)。享保一六(一七三一)年に家重と数え二十一で婚姻し、江戸城西御丸に入って「御簾中様」と呼ばれた。年の享保一七(一七三二)年には家重と船で隅田川を遊覧した翌享保十八年に懐妊したものの、九月十一日に早産し、生まれた子は、まもなく死去し、増子も産後の肥立ちが悪く、十月三日に二十三歳で死去した。寛永寺に葬られ、従二位が追贈された。戒名は證明院智岸真恵大姉。家重はその後、二度と正室を迎えることはなかった(以上はウィキの「増子女王」に拠った)。]

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