フォト

カテゴリー

サイト増設コンテンツ及びブログ掲載の特異点テクスト等一覧(2008年1月以降)

The Picture of Dorian Gray

  • Sans Souci
    畢竟惨めなる自身の肖像

Alice's Adventures in Wonderland

  • ふぅむ♡
    僕の三女アリスのアルバム

忘れ得ぬ人々:写真版

  • 縄文の母子像 後影
    ブログ・カテゴリの「忘れ得ぬ人々」の写真版

Exlibris Puer Eternus

  • 吾輩ハ僕ノ頗ル氣ニ入ツタ教ヘ子ノ猫デアル
    僕が立ち止まって振り向いた君のArt

SCULPTING IN TIME

  • 熊野波速玉大社牛王符
    写真帖とコレクションから

Pierre Bonnard Histoires Naturelles

  • 樹々の一家   Une famille d'arbres
    Jules Renard “Histoires Naturelles”の全挿絵 岸田国士訳本文は以下 http://yab.o.oo7.jp/haku.html

僕の視線の中のCaspar David Friedrich

  • 海辺の月の出(部分)
    1996年ドイツにて撮影

シリエトク日記写真版

  • 地の涯の岬
    2010年8月1日~5日の知床旅情(2010年8月8日~16日のブログ「シリエトク日記」他全18篇を参照されたい)

氷國絶佳瀧篇

  • Gullfoss
    2008年8月9日~18日のアイスランド瀧紀行(2008年8月19日~21日のブログ「氷國絶佳」全11篇を参照されたい)

Air de Tasmania

  • タスマニアの幸せなコバヤシチヨジ
    2007年12月23~30日 タスマニアにて (2008年1月1日及び2日のブログ「タスマニア紀行」全8篇を参照されたい)

僕の見た三丁目の夕日

  • blog-2007-7-29
    遠き日の僕の絵日記から
無料ブログはココログ

« 明恵上人夢記 85 | トップページ | 明恵上人夢記 87 »

2021/02/27

明恵上人夢記 86

 

86

一、同四月一二日の比(ころ)【日付、能くも覺えず。】、夜、夢に云はく、余、中宮御產の安穩(あんをん)を祈り奉る。太平にして產み生ましめ給ひ了んぬ。諸人、之に感じて、大僧正の御房と之を祈り奉る【疑ひ思ひて、此の比(ころ)、死生(ししやう)の事を聞く所之間の夢也。本尊を祈請せし夜也。】。

[やぶちゃん注:何年かは不詳。「84」夢の私の注の冒頭を参照されたい。なお、この明恵の割注の内、少なくとも後者は、かなり後になって書き添えたもののように読める。

「中宮」底本の岩波書店一九八一年刊久保田淳・山口明徳校注「明恵上人集」の注に、『順徳天皇の中宮藤原立子』(りっし/たつこ)『(良経女)か。立子は建保六年(一二一八)年十月十日懐成親王(仲恭天皇)を出産している』とある。「良経」摂政で太政大臣九条良経。但し、この時には既に亡くなっている。

「大僧正の御房」同前で、『慈円か。彼は中宮立子の御産の祈禱をしており、夢告を得ている』とある。慈円(久寿二(一一五五)年~嘉禄元(一二二五)年)は天台僧。諡号は慈鎭。関白藤原忠通の子で、関白・太政大臣九条兼実の弟。永万元 (一一六五) 年、覚快法親王の室に入って道快と称し、翌々年に出家得度した。治承四(一一八〇)年頃、慈円と改名。兼実の尽力により、順調な昇進をとげ、建久三(一一九二)年に権僧正・天台座主・護持僧となった。同七年に源通親のために、一旦、座主の地位を追われたが,建仁元 (一二〇一) 年には、再び、座主となって以来、実に四度も座主を務めた。同三年に大僧正となり、まもなく辞退した。その著「愚管抄」は日本最初の歴史哲学書として有名で、また、歌人としても聞え、「新古今和歌集」・「千載和歌集」以後、歴代の勅撰集に入り、家集に「拾玉集」がある。

「死生(ししやう)の事を聞く」これは実際の事実を記していると読める。とすれば、この慈円らしき「僧正の御房」に聴聞したものと流れでは読める。訳でもそうした。]

 

□やぶちゃん現代語訳

86

同じ四月十二日の頃[明恵注:日付はあまりよく覚えていない。]、夜、こんな夢を見た――

 私は、中宮のお産の安穏(あんのん)を祈禱し申し上げている。

 全く健やかに、産み生ましめ遊ばれて、ことなく、終わった。

 諸人は、これに感激して、大僧正の御房とともに、この祈禱成就を仏に感謝の祈りを申し上げた。[明恵注:不審を感じたので想起してみると、この頃、私は死生(ししょう)のことについて、大僧正の御房に親しく聴聞申し上げた間に見た夢である。本尊に祈請し申し上げた夜のことである。]

« 明恵上人夢記 85 | トップページ | 明恵上人夢記 87 »