譚海 卷之三 堂上にて名字を細く書く事
堂上にて名字を細く書く事
○堂上にては自他の名字をしるすに、墨かれにほそくちいさくなど書事は無禮なり。我名など殊に大きく書事は卑下に成也。其ゆゑは文字小(ちいさ)く書時は、目にみえかぬるやうに書事にて無禮なれば、大きく書しるす程よくみゆるゆゑ、是を謙退(けんたい)とする事とぞ。されば下賤の衆へ賜る書などには、華押ばかり、或は一向に名を書れざるもあるは、高位の人のしわざなり。
[やぶちゃん注:「謙退」へりくだって控え目にすること。また、そのさま。]
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堂上にて名字を細く書く事
○堂上にては自他の名字をしるすに、墨かれにほそくちいさくなど書事は無禮なり。我名など殊に大きく書事は卑下に成也。其ゆゑは文字小(ちいさ)く書時は、目にみえかぬるやうに書事にて無禮なれば、大きく書しるす程よくみゆるゆゑ、是を謙退(けんたい)とする事とぞ。されば下賤の衆へ賜る書などには、華押ばかり、或は一向に名を書れざるもあるは、高位の人のしわざなり。
[やぶちゃん注:「謙退」へりくだって控え目にすること。また、そのさま。]