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2021/03/22

大和本草附錄巻之二 魚類 斥鯊魚(かたはぜ) (トビハゼ)

 

キスゴニモ、ハエニモ似タリギスゴヨリ小ニシテ少扁シ

鯊魚ノ類也目ハ口上所近シ江戶ノ虎キスゴニ似タリ

○やぶちゃんの書き下し文

「きすご」にも、「はえ」にも、似たり。「ぎすご」より、小にして、少し、扁(ひら)し。鯊魚〔(はぜ)〕の類なり。目は口〔の〕上〔の〕所に近し。江戶の「虎きすご」に似たり。

[やぶちゃん注:遂に安心して記載出来る「魚類」に入る。さて、「斥鯊魚」の「斥」(音「セキ」)は「退(の)ける。押し退ける」の意があり(他に「斥候」のように「窺う・様子を探る」の意や、「指す・指さす」の意もある)、これは干潟で跳躍するさまを言うのであろうと私は踏んだ。或いは「かた」の訓は「片」の音との混同かと思ったが、実は当て訓で、「潟」に通じ、ハゼ類の棲息フィールドを指すのではないかとも感じた。而して、どうも「跳び鯊」、

条鰭綱スズキ目ハゼ亜目ハゼ科オキスデルシス亜科 Oxudercinae トビハゼ属トビハゼ Periophthalmus modestus

の異名らしい感じがしてきたのだ。調べてみると、ウィキの「トビハゼ」の「別名」の項に、『カタハゼ、ムツゴロ(熊本)』とあったので、確定! 以下、そこから引用する。『干潟の泥上を這い回る魚として有名である』。『トビハゼの成体の体長は10 cmほど。体は灰褐色で小さな白点と大きな黒点のまだら模様がある。眼球は頭頂部に突き出て左右がほぼ接し、平坦な干潟を見渡すのに適応している。胸鰭のつけ根には筋肉が発達する。同じく干潟の上を這い回る魚に』同科ムツゴロウ属『ムツゴロウ Boleophthalmus pectinirostris もいるが、トビハゼの体長はムツゴロウの半分くらいである。また』、『各ひれの大きさも体に対して小さい』。『汽水域の泥干潟に生息する。春から秋にかけて干潟上で活動するが、冬は巣穴でじっとしている。干潟上では胸鰭で這う他に尾鰭を使ったジャンプでも移動する。近づくとカエルのような連続ジャンプで素早く逃げ回るので、捕えるのは意外と難しい。食性は肉食性で、干潟上で甲殻類や多毛類などを捕食する。潮が満ちてくると、水切りのように水上をピョンピョンと連続ジャンプして水際の陸地まで逃げてくる習性があり、和名はこれに由来する』。『通常の魚類は鰓(えら)呼吸を行い、代謝によって発生するアンモニアを水中へ放出する。このため』、『空気中では呼吸ができない上に』、『アンモニアが体内に蓄積され』、『脳障害などを起こす。しかし、トビハゼは皮膚呼吸の能力が高い上に』、『アンモニアをアミノ酸に変える能力があり、空気中での活動が可能である』(☜これは凄い! 侮ってはいけないな!)。『産卵期は6-8月で、オスは口から泥を吐いて泥中に巣穴を掘り縄張りをつくり、メスを呼び込んで産卵させる』。『孵化した仔魚は海中に泳ぎ出て水中で浮遊生活をし、全長15 mmほどに成長すると干潟へ定着する。寿命は1-3年』。『生後1年で全長5 cmとなるが、オスの大部分はここで繁殖に参加し、繁殖後は死んでしまう。一方、メスは生後2年・全長7-9 cmまで成長し』、『繁殖に参加する』。『ピョンピョンハゼ(高知)、ネコムツ(九州地方)、カッチャン、カッチャムツ、カッタイムツ(佐賀)、カタハゼ、ムツゴロ(熊本)など。南西諸島では、本種と近縁の別種ミナミトビハゼとを区別せず、どちらもトントンミーと呼ぶ』。『標準和名「トビハゼ」は東京および和歌山での呼び名である。泥の上を跳ね回ることから、英語では"mudskipper"(マッドスキッパー)と呼ばれる。日本でも観賞魚として流通する際はマッドスキッパーと呼ばれることが多い』。『日本・朝鮮半島・中国・台湾に分布し、日本では東京湾から沖縄本島まで各地の泥干潟で見られる。分布の北限は東京湾の江戸川放水路河口や谷津干潟である』。『千葉県の生息域では、袋詰め捨て石の試験施工によるトビハゼへの影響調査が行われている』。『市川市の人工干潟で分布が確認されている』。『多摩川の汽水域で生息が確認調査されている』。『名古屋港の藤前干潟に生息する』。『大阪府内での生息状況は不明』。『なお』、『ムツゴロウは日本では有明海・八代海だけに分布するのでこの点でも区別できる』。『人や地域によっては食用にされる。かつて諫早湾の南岸地方では夜に眠っているトビハゼを灯火で脅かし、網に追い込んで漁獲し、煮干にして素麺の出汁などにしていた』とある。東京湾では、干潟がなくなる以前は、ハゼ釣りが大盛況で、小学校時代に愛読した魚貝図鑑には、海岸をびっちりと埋めた(トビハゼではない)釣り人の写真が載っていたのを思い出す。

「きすご」スズキ目スズキ亜目キス(鱚)科 Sillaginidae のキス類、或いは、西日本ではシロギス Sillago japonica を指すことが多いので、釣って面白く、味も最もいいそれに限定してもよい。

「はえ」「はや」のこと。多様な淡水魚を指す。「大和本草卷之十三 魚之上 ※(「※」=「魚」+「夏」)(ハエ) (ハヤ)」を見られたい。但し、その孰れにもトビハゼは似ていないので不審ではある。或いは、益軒の「はや」のイメージの中には、九州に多い、淡水から汽水域に広く分布する(されば、上記の「ハヤ」類とフィールドの一部が重なる)スズキ目ハゼ亜目ハゼ科ゴビオネルス亜科ヨシノボリ属 Rhinogobius が含まれていた可能性が高いように思われる。それなら、似ている。

「ぎすご」「きすご」に同じ「キス」の異名。

「鯊魚」基本的にはハゼ亜目 Gobioidei に属する魚の総称。

「目は口〔の〕上〔の〕所に近し」これはトビハゼの眼が上に突き出て、通常の魚類の中では目立つことと親和性のある表現と言える。

「虎きすご」スズキ目ワニギス亜目トラギス科トラギス属トラギス Parapercis pulchella であるが、う~ん、口と目玉のデカさは「かも知れん」とは思うものの、総体、ちょっと似てるとは言えない気が私はするがなぁ。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」のトラギスのページの写真で、ご自身で判断されたい。]

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