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2021/03/09

大和本草附錄 うけうと (おきゅうと)

 

ウケウト 海草也煮テトコロテンノ如クカタマル。コンニヤ

クノ色ナルモアリ非佳品不可食

○やぶちゃんの書き下し文

うけうと 海草なり。煮て、「ところてん」のごとく、かたまる。こんにやくの色なるも、あり。佳品に非ず。食ふべからず。

[やぶちゃん注:益軒にしては加工食品の独立であるが、原料が海藻であるから採り上げる。所謂、福岡の名物「おきゅうと」である。当該ウィキによれば(太字下線は私が附した)、『おきゅうととは、福岡県福岡市を中心に食べられている海藻加工食品。「お救人」』、『「浮太」、「沖独活」』『とも表記される』。『成分の内訳は96.5』%『が水分、残りのうちタンパク質が0.4%、炭水化物が3%、灰分が0.2%である』。『すなわち』、『栄養は高くないが、独特の食感などが評価されている』。『江戸時代の』「筑前国産物帳」では『「うけうと」の名称で紹介されている』。『元来は福岡市の博多地区で食したが、その後福岡市全体、九州各地に広がる。福岡市内は、毎朝に行商人が売り歩き、専門の製造卸が1997年ごろに約10店あった』。『福岡県内は1990年代から』主『原料のエゴノリの不漁が続き、2000年代は石川県の輪島市などから仕入れている。主食が米飯からパンなどへ変わりつつあることから』、『消費が低迷している』。『原料のエゴノリ(「えご草」、「おきゅうと草」、博多では「真草」)と沖天(イギス、博多ではケボ)やテングサ』(私の後注を必ず参照)『をそれぞれ水洗いし、状態を見ながら天日干し』『を1』~『5回繰り返す。歩留まりは7割程度だが、本工程を省くと風味が劣り』、『色調が黒く仕上がる。テングサは香りが薄れるため、自家用の場合は洗う回数を減らすことがある』。『次にそれぞれ天日干したえご草と沖天をおよそ7:3から6:4の割合で混ぜ、よく叩く』。『酢を加えて煮溶かしたものを裏ごし、小判型に成型し』、『常温で固める』。『博多では、小判型のおきゅうとを丸めたものが売られている』。『良し悪しとして、あめ色でひきがあるものは良く、黒っぽいあめ色のものは好まれない。緑色のものには、「おきゅうと」として売られているが』、『まったく』、『えご草が使われていないものもあり、天草が主原料のものは「ところてん」で「おきゅうと」ではない』。『新潟県や長野県では、えご草のみを原料に、おきゅうとと製法が同じ「いごねり(えごねり、えご、いご)」が食される。おきゅうととの製法上の相違点は、えご草を天日干しせず、沖天を使用しないところである』。『5ミリから1センチの短冊状に切り、鰹節のうえに薬味として』、『おろし生姜またはきざみねぎをのせ生醤油、芥子醤油、ポン酢醤油、ゴマ醤油などで食す。もっぱら朝食の際に食す』。『語源は諸説あり』、『沖で取れるウド』・『キューと絞る手順』。『享保の飢饉の際に作られて「救人(きゅうと)」と称された』・『漁師から製法を習い「沖人」』『などが挙げられる』。『第二次世界大戦前の博多では、他の地方の』「納豆売り」や「しじみ売り」の『ように、明け方から』「おきゅうと売り」が『売り歩』き、その『掛け声は』「おきうとワイとワイ、きうとワイ」『だった』とある。『山形県、秋田県、新潟県、長野県安曇野地方で食されている「えご」「いご」「えごねり」「いごねり」や宮崎県の「キリンサイ」も、形は少し異なるが』、『紅藻類の海藻を用いる点で共通しており、同様の食品である』。『えごは、飢饉の際に漁師が見つけた海草を煮詰めて固めたもので、飢えをしのいだ事が由来とされる』とある。則ち、その主原料は、

紅色植物門真正紅藻綱イギス目イギス科エゴノリ属エゴノリ Campylaephora hypnaeoides

である。当該ウィキによれば、『分枝する糸状の藻体をもち、胞子体は長さ 15』~『25 cm、配偶体は数cmになる。大型の海藻、特にホンダワラ類(褐藻綱)のヤツマタモク』(褐藻綱ヒバマタ亜綱ヒバマタ目ホンダワラ科ホンダワラ属ホンダワラ亜属ヤツマタモク(八ツ股藻屑)Sargassum patens)『やヨレモク』(ホンダワラ属バクトロフィクス亜属 Bactrophycus ハロクロア節 Halochloa ヨレモク(撚れ藻屑)Sargassum siliquastrum)『に着生して生育する』。『枝の先端が鈎状になり、絡み付いて塊になる。北海道から九州、韓国、中国から報告がある』。『広く食用とされ、特に煮溶かして固めた料理は日本海側を中心に「いごねり」・「えごねり」(佐渡島)、「いご」・「えご」(新潟県、長野県)、「うご」(京都府)、「おきゅうと」・「おきうと」(福岡県)などの名称で利用されている』。『2012年現在、天然資源の採取に頼っており、主要な産地は青森県であるが、好不漁の変動が大きい』。『養殖技術の開発も試みられている』。『イギス目イギス科』Ceramiaceae『に属するイギス』(海髪)Ceramium kondoi や同属アミクサ(網草)Ceramium boydenii 『も同様に煮溶かして固めたもの(いぎす豆腐など)が食用とされる』。『「おきゅうと」の配合品として用いられることもある。また』、『名前が「エゴノリ」と似た』、『刺身のつまなどに利用される『「オゴノリ」』(真正紅藻綱オゴノリ目オゴノリ科オゴノリ属オゴノリ Gracilaria vermiculophylla )『は全く別の紅藻であ』るので注意が必要である。

次に副材料として加えるものは、

真正紅藻綱マサゴシバリ亜綱イギス目イギス科ギス連イギス属イギス(海髪Ceramium kondoi

及び、テングサとあるのであるが、天草(テングサ)類は紅色植物門真正紅藻綱テングサ目テングサ科 Gelidiaceae の総称であって、テングサという種は存在しないので少し面倒である。幸い、既に「大和本草卷之八 草之四 海藻類 心太 (ココロフト=トコロテン)」で詳細に注をしてあるので、そちらを見られたい。

「佳品に非ず。食ふべからず」益軒は福岡の現地人でありながら、許し難い罵詈雑言であると福岡出身の方は言うであろう。但し、私は如何なる海藻も自身で生で齧って試すほどの海藻好きであるが、実は「おきゅうと」は別して例外で、食べないわけではなく、出されれば、食べるが、しかし、好んでは食べないし、自分で買ったことも一度もない。あの中途半端な食感がかえって海藻由来らしくないからかと思う。だから、何となく、益軒のこの暴言は判らぬでもないというのが正直な感想なのである。]

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