大和本草附錄巻之二 魚類 クチミ鯛 (フエフキダイ)
クチミ鯛 本編不載形狀大抵不異于鯛只口尖リ
テ小ナリ目高クツキ色淡褐紅色味亦頗似鯛而
劣
○やぶちゃんの書き下し文
くちみ鯛 本編に載せず。形狀、大抵、鯛に異ならず。只、口(くち)、尖りて、小なり。目、高くつき、色、淡褐紅色。味、亦、頗る鯛に似て、而〔れども〕劣れり。
[やぶちゃん注:「クチミダイ」という異名は現在、以下の二種に与えられている。
スズキ目スズキ亜目フエフキダイ科フエフキダイ属フエフキダイ Lethrinus haematopterus
フエフキダイ属ハマフエフキ Lethrinus nebulosus
しかし、「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」のフエフキダイのページの画像と、同サイトのハマフエフキのページの画像とを比べ(この比較だけでも明らかにマダイ類に似ているのはフエフキダイである)、さらに両種の学名の画像検索をそれぞれ掛けてみると、ハマフエフキの方は、体色が黄緑色に偏位して金属光沢を持つ個体が圧倒的に多いのに対し、フエフキダイの方は個体差があるものの、まさに「淡褐紅色」に相応しいことが判った。されば、フエフキダイに同定する。前者「フエフキダイ」のリンク先には、『あまりまとまって取れることはない』。『西日本の暖かい海域にいるもので、定置網などでとれ、産地などでは食用白身魚として普通に利用している。希に関東などにも入荷してくるが』、『認知度が低くて安い』。『西日本では少ないながら流通。あまり高くない』とあり、益軒の根拠地福岡と親和性があることが判る。「産地」の項には『長崎県、熊本県、鹿児島県』とある。「味わい」の項に、『旬は夏だと思われる』が、『個体によっては磯臭い』とされ、『透明感のある白身で、透明感は比較的長く続く。ほどよく繊維質で身離れがいい』が、『皮や内臓、身から強くはないが』、『磯臭さを感じる』とあるのも、益軒の評価を裏付けると言える。「くちみだい」という異名は「口美鯛」か。キュートな尖った口には「チュ♡」をしたくはなりそうだ。]
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