譚海 卷之四 加賀境錦帶橋の事
○加賀と越前との境に錦帶橋といふあり。大川にかかりたるはしなり。兩國のさかひなるゆゑ加賀の方よりは材木を用てかけられ、越前の方より石をもちてかけらる、壹つのはしを木と石にて造りたるめづらしき製作也。
[やぶちゃん注:なお、今回より、国立国会図書館デジタルコレクションで発見した国書刊行会本(大正六(一九一七)年刊。恐らくは国立国会図書館蔵本が底本)を校合に使用することとした。本条はここ。なお、標題の「附」は「つけたり」で、前条の「加州里數幅幷あいもとの橋の事」の附録の意である。にしても、この橋、ネット上にデータが全くない。「加賀と越前との境」にある「大川」となると、大聖寺川しか考えれないが、現在の大聖寺川は河口からすぐ北上して加賀藩支藩の大聖寺領となるので、流域に変化があるにしても、大聖寺川の河口近くあったとしか考えられない。名前といい、奇体な石と木の半々の橋――どなたか、資料があれば、切にお教え戴きたく思う。]
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