大和本草附錄巻之二 介類 夏の海産の介類の保存法
海介ノ類夏月其マヽヲケハ不壞モシ水ニ浸シヲケバ
早クアザレテ不可食海魚モ同シ
○やぶちゃんの書き下し文
海〔の〕介〔(かひ)〕の類、夏月、其のまゝをけば、壞〔(く)〕えず。もし、水に浸しをけば、早くあざれて、食ふべからず。海〔の〕魚も同じ。
[やぶちゃん注:「介」は貝類、及び、既に見てきた通り、甲殻類や水棲爬虫類であるカメ類を含んだ博物学的総称である。
「壞〔(く)〕えず」「壞(崩)(く)ゆ」は自動詞ヤ行下二段活用。ここは「魚介類が腐敗して形が崩れることがない」。乾燥が進んで干物となり、腐敗が進行し難いということを言っている。
「あざれて」「鯘(あざ)る」は自動詞ラ行下二段活用。ここは魚介類が腐って。腐敗して。但し、海水の中で完全に空気と触れずに沈めて置いておくと、腐敗は有意に遅れる。]
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