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2021/05/31

大和本草諸品圖上 ムヅヲレ草 (ムツオレグサ)

 

Muzuworegusa

 

ムヅヲレ草

 似ㇾ葦穗狗尾草

  根及莖淡紅

 

 莖高三尺許味淡甘

○やぶちゃんの書き下し文

むづをれ草

葦に似て、穗は狗尾草〔(ゑのころぐさ)〕に似る。根及び莖、淡紅。莖〔の〕高さ三尺許り。味、淡甘。

[やぶちゃん注:底本の底本としている中村学園大学図書館」の「大和本草」の「目次」を見ると、『ムヅヲレ草(みのごめ、むつをれぐさ)』としてある。但し、本巻に独立項としては存在しない。而してこれは、

単子葉植物綱イネ目イネ科イチゴツナギ亜科ドジョウツナギ属ムツオレグサ亜種ムツオレグサ Glyceria acutiflora subsp. japonica

のことと判明した。当該ウィキによれば、『平地の湿地に生えるもので、時に水中にも生える』。『池の縁などでも見られるが、水田にもよく出現』し、『水田や溝などにもよく』見かけ、『本種のように水辺、あるいは水中に生えるイネ科で、円柱形の小穂が主軸にぴったり寄り添って』、『一見では総状に見える、というものは他に例が少な』いとあることから、採用することとした。『広がって生える多年生の草本』で、『全体に毛がない。稈の基部は地表を這って節毎に根を下ろし、その長さは』七十センチメートル『にも達することがある。稈の先の方は立ち上がり、葉身のある葉を付ける。立ち上がった茎は高さ』五十センチメートル『程度になる』。『葉の基部の鞘は完全な筒型で、その先端にある葉舌は高さが』三~五ミリメートルで、『幅より高さが勝り、白色膜質で』、『よく目立つ。葉身は長さ』十~三十センチメートル、幅三~六ミリメートルで、『扁平で、柔らかく』、『ほぼ滑らか』である。『先端は急に狭まって終わる』。『花期は』五~六月で、『花序は茎の先端に出て』、『長さは』十~三十センチメートル『あるが、その基部は葉鞘に包まれる。花序は円錐花序で、小穂が』八~十五『個ほどある。細長い小穂には長い柄があるが、それらすべて外向きに広がることがなく、花序の主軸に張り付くように伸びているので、一見では総状花序に見える。小穂は円柱状で長さ』二・五~五センチメートルで、『全体に淡緑色をしており』、八~十五『個の小花が左右交互に整列している。小穂の基部にある包頴は小さ』い。『和名は『六つ折れ草』の意で、小穂が熟すと』、『小花がばらばらに脱落する様子による』。『また』、『別名にミノゴメがあり、これはかつて飢饉などの際に食用とされたことによる』。但し、『「ミノ」の意味は不明である』。『なお、ミノゴメの名は』イネ科カズノコグサ属『カズノコグサ Beckmannia syzigachne の別名としても使われるので注意を要するが、牧野原著』『によると、カズノコグサの小穂は大きいが、これは包頴が膨らんでいるためで』、『中に収まる種子はとても小さくて食用となり得ず、従って「ミノゴメ」の名は本種のものだ、としている』(ということは「蓑米」或いは「実の小米」の略か。但し、ウィキの「カズノコグサ」には『ミノゴメは、平安時代の七草のうちの一つ「葟(みの)」のことで食用になる』とある)。『他にこの書ではタムギと言う別名も拾っており、これも食用になるとの意であるという』。『日本では北海道(希)、本州、四国、九州から琉球列島まで分布し、国外では朝鮮、中国中南部まで知られる』。『種としての分布は北アメリカまであり、基亜種のタイプ産地はアメリカのニューヨーク州と』いう。『その茎は、秋には株元から』二、三『本の枝を出し、往々に水面に浮かんで冬を過ごし、春になると』、『更に分枝をしながら』、『横に這い、その各節から根と茎を出し、伸びだした茎葉立ち上がって』五十センチメートル『程度になって花序を出す』。『本種の属するドジョウツナギ属には』、『北半球の温帯域を中心として約』四十『種が知られ、日本からは』七『種ほどが知られている』が、『多くのものは』、『円錐花序が散開するので』、『見た目が大きく異なる。その点で似ているのはウキガヤ G. depauperata である』とある。なお、この「ムヅヲレ草」の下方には、国立国会図書館デジタルコレクションの画像で示すと、「赤頭(〔アカ〕カシラ)」とあって、『荒田ニ生ス一窠灌生葉赤色不可食』というキャプションを持つ図が載り、一見、荒れた湿地か休耕田にでも生えているような根を露わに描いた絵が載るのであるが、この『荒田』(こうでん)とは広義の「荒地」の意で、田ではなく、これは双子葉植物綱ナデシコ目ヒユ科 Chenopodioideae 亜科 Chenopodieae 連アカザ属シロザ変種アカザ Chenopodium album var. centrorubrum の異称であって、同種は調べる限り、水族ではないので、採用しなかった。因みに、アカザを「食ふべからず」というのは厳密には誤りではない。当該ウィキによれば、『葉は茹でて食べることができ、同じアカザ』亜『科のホウレンソウ』(ナデシコ目ヒユ科アカザ亜科Chenopodioideae ホウレンソウ属ホウレンソウ Spinacia oleracea )『によく似た味がする』。『茶として飲まれることもあ』り、また、『種子も食用にできる』。『「藜の羹(あつもの)」は粗末な食事の形容に使われる』とあるものの、ホウレンソウと同じく、多量に摂取すると、結石を起こす『シュウ酸を多く含むため』、『生食には適さない』とあるからである。

「狗尾草〔(ゑのころぐさ)〕」ご存知「ネコジャラシ」、穀物の粟(エノコログサ属アワ Setaria italica )の原種とされるイネ科キビ亜科キビ連エノコログサ属エノコログサ Setaria viridis のこと。]

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