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2021/05/03

大和本草附錄巻之二 介類 漢方薬剤「上甲散」・「下甲散」の原料 (スッポンの甲羅と腹板)

 

入門ニ上甲散下甲散トテ藥方アリ曰上甲ハ卽龜甲

下甲ハ卽龜板

○やぶちゃんの書き下し文

「入門」に、『上甲散』・『下甲散』とて藥方あり。曰く、『上甲は、卽ち、龜の甲。下甲は、卽、龜の板〔(いた)〕。』と。

[やぶちゃん注:「入門」明の李橚(しゅく。但し、李梃(てい)ともする)「醫學入門」。一五七五年成立。中国古今の医説の要説を述べ、経絡から臓腑の解説、諸科の診断と治療法、本草の性質概説、歴代医学者の名まで網羅する。全七巻。「外集」の巻六に、

   *

上甲下甲積熱烘。

上下甲丸 上甲・下甲、各一兩。側柏葉・栝蔞仁・半夏・黃連・黃芩・黃柏、各五錢。爲末、蒸餅爲丸服、退勞熱食積痰。

下甲丸 下甲五兩。側柏一兩半。香附三兩。爲末、姜汁浸地黃膏爲丸、梧子大。每三十丸、空心白湯下、治抑結不散。以上兩方、乃丹溪所立、遍訪上甲・下甲、人無識者、後詢老醫、雲上甲卽鱉甲、下甲卽龜板、此二味、善治陰虛食積發熱、當從之。

   *

とあった。これを見るに、最後の箇所に「鱉」(すっぽん/ベツ)であるから、爬虫綱カメ目潜頸亜目スッポン上科スッポン科 Trionychidae のスッポン類(スッポン亜科キョクトウスッポン属ニホンスッポン Pelodiscus sinensis 。中文漢名は「中華鱉」で、本邦の現生種は古くに中国から齎されたものと考えられ、本邦種をキョクトウスッポン属当該種亜種Pelodiscus sinensis japonicusとする説もある)の上面の甲羅を「上甲」、下面腹部側の腹甲を「下甲」「龜板」と称しているようである。スッポンの場合は上下ともに甲羅は退化して通常のカメよりも小さく、上甲は頭部の方に寄っており、辺縁部は軟骨化しているため、骨だけにすると、背骨が左右に突き出る形になる。腹甲もかなり薄い。]

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