フォト

カテゴリー

サイト増設コンテンツ及びブログ掲載の特異点テクスト等一覧(2008年1月以降)

The Picture of Dorian Gray

  • Sans Souci
    畢竟惨めなる自身の肖像

Alice's Adventures in Wonderland

  • ふぅむ♡
    僕の三女アリスのアルバム

忘れ得ぬ人々:写真版

  • 縄文の母子像 後影
    ブログ・カテゴリの「忘れ得ぬ人々」の写真版

Exlibris Puer Eternus

  • 吾輩ハ僕ノ頗ル氣ニ入ツタ教ヘ子ノ猫デアル
    僕が立ち止まって振り向いた君のArt

SCULPTING IN TIME

  • 熊野波速玉大社牛王符
    写真帖とコレクションから

Pierre Bonnard Histoires Naturelles

  • 樹々の一家   Une famille d'arbres
    Jules Renard “Histoires Naturelles”の全挿絵 岸田国士訳本文は以下 http://yab.o.oo7.jp/haku.html

僕の視線の中のCaspar David Friedrich

  • 海辺の月の出(部分)
    1996年ドイツにて撮影

シリエトク日記写真版

  • 地の涯の岬
    2010年8月1日~5日の知床旅情(2010年8月8日~16日のブログ「シリエトク日記」他全18篇を参照されたい)

氷國絶佳瀧篇

  • Gullfoss
    2008年8月9日~18日のアイスランド瀧紀行(2008年8月19日~21日のブログ「氷國絶佳」全11篇を参照されたい)

Air de Tasmania

  • タスマニアの幸せなコバヤシチヨジ
    2007年12月23~30日 タスマニアにて (2008年1月1日及び2日のブログ「タスマニア紀行」全8篇を参照されたい)

僕の見た三丁目の夕日

  • blog-2007-7-29
    遠き日の僕の絵日記から
無料ブログはココログ

« 日本山海名産図会 第五巻 織布 | トップページ | 日本山海名産図会 第五巻 腽肭獣 »

2021/06/27

只野真葛 むかしばなし (30)

 

○鈴木常八、工藤家へ出入しそめしは、尾張町藥屋みせの、見付(みつけ)の二枚ふすま、金地に綠靑《ろくせう》にて、松を下にベたと書(かき)、上に浪の繪、父樣、御このみ被ㇾ成しに、いづくのか町繪師にあつらへてかゝせしに、下手繪(へたゑ)にて、心いき、あしく、御氣にいらず、其時、藤九郞世話にて、近所に狩野家《かのけ》の繪を書(かく)大家《や》有(あり)とて、つれて來りしは、廿二にて有し。色白きこと、雪のごとくなる男にて有しが、後(のち)は、あの通(とほり)、黑ぼうに、なりたりし。見る前にて、金ふすまを引(ひき)やぶりて、別にかゝせしを、書(かき)しまいて、則(すなはち)、

「さむけ、する。」

とて、臥したりし。藥など、給(たまひ)させしを、おぼしたり。

「人の惡口に臆して、さむけせしならん。」

と、いひしが、風(かぜ)引(ひき)たるを、急の事故(ゆゑ)、おして、來たりしなり。

 常八が書(かき)しは、御氣に入(いり)て有し。

 「五人組」とやら、

「ふるまふ。」

とて、まち人どもを、客座敷へよびしも、おぼしたりし。

[やぶちゃん注:「見付(みつけ)」「みつき」でもよい。丁度、正面に見えるところ。

「心いき、あしく」「心意氣、惡しく」。筆勢が極めて悪く。

「藤九郞」工藤家の料理人森井藤九郎。既出。

「狩野家《かのけ》の繪を書(かく)大家《や》」狩野(かのう)派の絵を学んで描くと言う大家(たいか)。しかし、「たいか」を「おほや」とは読まないから、この「や」のルビは不審である。

「黑ぼう」「黑坊(くろ(ん)ばう)」。

「見る前にて、金ふすまを引(ひき)やぶりて」工藤の爺さまが主語。

「おぼしたり」ように覚えている。主語は筆者真葛。

「人の惡口に臆して」このシチュエーションで台詞の意味不明。或いは、次の「五人組」とかいう知人の絵師仲間が、屋敷外で、四人、待っていて、そいつらが、「きっと私の絵の悪口を言っているだろう。それに臆して武者震いしたんだろう。」といったニュアンスか?

『「五人組」とやら、』「ふるまふ。」「とて、まち人どもを、客座敷へよびしも、おぼしたりし」ここも何か前振りが欠損しているのか、意味がうまくとれない。前の設定の常八の親友のその「五人組」の仲間らを、工藤の爺様が、「絵が上手く描けた褒美に、その連中にも振舞いをしてやろう。」と客座敷に上げたのを、覚えている、と真葛が言ったものか?]

« 日本山海名産図会 第五巻 織布 | トップページ | 日本山海名産図会 第五巻 腽肭獣 »