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2021/06/08

大和本草諸品圖下 ムツノ魚・扁鰺(ヒラアヂ)・笛吹魚・目白鯛 (ムツ(図のみから)・マアジ(地方名)・ヤガラ類・メイチダイ)

 

5

 

[やぶちゃん注:国立国会図書館デジタルコレクションの画像をトリミングした。]

 

ムツノ魚

 泥海ニ多シ

  味不ㇾ美キラ

○やぶちゃんの書き下し文[やぶちゃん注:「美」の送り仮名が不審なので推定で訂して訓読する。]

むつの魚

 泥海に多し。味、美〔(よ)〕からず。

――――――――――――――――――

扁鰺(ヒラアヂ)

アヂニ似テ

扁(ヒラ)シ無ㇾ鱗

尾ニ近シテ

連鱗アル

事モ

常ノ

アヂノ如シ

味美海魚也

連鱗ナキモアリ

――――――――――――――――――

笛吹魚形似鰻鱺(ウナキ)而圓

長可一二尺口數寸口如ㇾ鬣(ヒレ)

  者アリ知シ身小ニシテ圓シ

   目大也

 

尾ノ末ノ

岐ヨリ

又絲筋ノ如ナル長キ小尾アリ其長キコト五六寸在長崎之海

[やぶちゃん注:以下、左の魚体の間の小文字の転倒文。]

      目ヨリ口マテ五六寸

  其間兩ワキハ不ㇾ開只口サキノ

  ミ開ケリ目ヨリ口マデノ大

  サモ身ト同シ目ヨリ口マデ

      肉ニハ非ス

○やぶちゃんの書き下し文[やぶちゃん注:ご覧の通り、キャプションが甚だ読み難いので、訓読する。]

笛吹魚〔(ふえふきうを)〕 其の形、鰻鱺(うなぎ)に似て、圓〔(まろ)〕く、長さ、一、二尺〔ある〕べし。其の口、數寸。口の傍〔(かたはら)〕に鬣(ひれ)のごとき者、あり。知〔(しれ)〕じ。身、小にして、圓し。目、大なり。尾の末の岐〔(また)〕より、又、絲筋のごとくなる、長き小尾あり。其の長きこと、五、六寸。長崎の海に在り。

[やぶちゃん注:以下、左の魚体の間の小文字の転倒文。]

目より口まで、五、六寸。其の間〔の〕兩わきは開かず、只、口さきのみ、開けり。目より口までの大〔い〕さも、身と同じ。目より口まで、肉には非ず。

――――――――――――――――――

目白鯛

肩高橫※

[やぶちゃん注:「※」=「氵」+「闊」。]

鬃魚ナリ兩傍

紫斑其目白

○やぶちゃんの書き下し文

目白鯛

肩、高く、橫、※〔(ひろ)〕し[やぶちゃん注:「※」=「氵」+「闊」。]。「紅鬃魚〔(こうそうぎよ)〕」と異なり、兩傍に、紫斑、有り。其の目、白し。

[やぶちゃん注:「ムツノ魚」は、図だけを見ていると、

スズキ目スズキ亜目ムツ科ムツ属ムツ Scombrops boops

でいいかな? と思うのだが――ムツの成魚は深海性だが、幼魚は沿岸域に棲む……しかしだ、「泥海」には、無論、いない! こんな魚体で泥海干潟なんかにいる奴はいないぞ!?……って、このキャプションが不審、というより、これって、えらい困らされた「大和本草卷之十三 魚之下 むつ (考えに考えた末にムツゴロウに比定)」と同んなじゃん! 図だけでむっとして「ムツ」で終わる!

「扁鰺(ヒラアヂ)」は、「ヒラアジ」の名を含むのは、

スズキ亜目アジ科マブタシマアジ属クロボシヒラアジ Alepes djedaba

がいるものの、当該種は暖海性で、当時の九州でも見かけた可能性は低いから、これは、ただの、

アジ科アジ亜科マアジ属マアジ Trachurus japonicus

の地方名(「大和本草卷之十三 魚之下 鰺 (アジ類)」参照)である可能性が甚だ高い。ただ、ここで、「連鱗、なきも、あり」というのはアジ類ではあり得ない。恐らくは、

ニシン上目ニシン目ニシン亜目ニシン科ニシン亜科サッパ属サッパ Sardinella zunasi

辺りの誤認であろう。

笛吹魚」は魚体の特徴を珍しくよく描き、解説も甚だ読み難いものの、よく語られてあるので、「大和本草卷之十三 魚之下 鮹魚 (ヘラヤガラ・アカヤガラ)」と合わせて、

トゲウオ目ヨウジウオ亜目ヘラヤガラ科ヘラヤガラ属ヘラヤガラ Aulostomus chinensis

アカヤガラ Fistularia petimba

アオヤガラ Fistularia commersonii

に同定してよい。

目白鯛」は、「目白」に疑問はあるが、側扁して体高があること、体側が紫色を帯びること、眼に特徴があること(幼魚や小型には身体を横に走る黒い帯が目にも通る。これが「目一」の由来)、

スズキ目スズキ亜目フエフキダイ科ヨコシマクロダイ亜科メイチダイ属メイチダイ Gymnocranius griseus

に比定しておく。

「紅鬃魚」既出既注。ここでは広義のごくオーソドックスな魚体のタイ類を指している。メイチダイは「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」の同種のページを見れば判る通り、赤みが有意に薄いのである。

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