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2021/06/13

大和本草諸品圖下 淡菜(イガイ)・白(シラ)貝・大貝(オホカイ)・紫貝(ムラサキカイ) (イガイ・サラガイ或いはアラスジサラガイ・不詳(ヒメシラトリ?)・ウチムラサキ)

 

Kai5

 

[やぶちゃん注:国立国会図書館デジタルコレクションの画像をトリミングした。]

 

淡菜(イガイ)

 一名東海夫人

――――――――――――――――――

白(シラ)貝

 扁ク有橫文味不ㇾ美

 殻白色橫條多シ其ノ條

 甚細也無雜色純白也

○やぶちゃんの書き下し文

白貝(しら〔がひ〕)

 扁たく、橫文〔(わうもん)〕有り。味、美〔から〕ず。殻、白色、橫條〔(よこすぢ)〕、多し。其の條、甚だ細きなり。雜色、無し。純白なり。

――――――――――――――――――

大貝(オホカイ)

 海邊ニ多ク生ス橫一寸七

 八分長二

 三寸橫

 紋ノ條(スヂ)

 多シ

 食シテ

 味不ㇾ美カラ

 亦白貝ノ類ナリ

――――――――――――――――――

紫貝(ムラサキカイ)

筑紫ノ海ノ㴱キ處ニアリ稀也

[やぶちゃん注:「㴱」は「深」の異体字。]

色紫也肉多クシテ殻ノ内ニ

ミテリ

味甚

ヨシ

三月

捕ㇾ之

ヨコニ細

ナルスヂ多シ

[やぶちゃん注:「淡菜(イガイ)」斧足綱翼形亜綱イガイ目イガイ科イガイ Mytilus coruscus大和本草卷之十四 水蟲 介類  淡菜(イガイ)」、及び、大和本草附錄巻之二 介類 淡菜 (イガイ)」参照。言うべきことは、そちらで総て、言ってある。図はよろしい。単簡ながら、特徴は押さえている。現物を見て描いたと思われる。

「白貝(シラ〔ガヒ〕)」異歯亜綱マルスダレガイ目ニッコウガイ科サラガイ属サラガイ Megangulus venulosus

或いは同属の、

アラスジサラガイ Megangulus zyonoensis

である。私もキャプションに賛同する。私は美味いと思わない。図は全体を丸く描き過ぎで、成長脈もはっきり描き過ぎて、膨らみが見た目、大きく感じられるのが難点。もっと平たい。「皿貝」だもの。

「大貝(オホカイ)」図の貝形が妙に歪んで気持ちが悪く、不詳。万一、キャプション通りに、前の「白貝」=サラガイ類の仲間であるとして、ニッコウガイ科 Tellinidae で調べてみると、この、見た目の地味さ、一見して殻に変形が多いところから、辺縁が欠損したり、殻頭部表面が剥離したりする傾向のある種で、どこか妙に薄汚れた印象からは干潟などに多そうで、そうしたマイナー・イメージを重ねて至ったのは、例えば、

ニッコウガイ科シラトリガイ亜科シラトリガイ属ヒメシラトリ Macoma incongrua

などが挙げられるかも知れぬ。より相応しい種があれば、御教授願いたい。

「紫貝(ムラサキカイ)」先般、「アマリガイ」の候補の一つにした、斧足綱異歯亜綱マルスダレガイ目マルスダレガイ科 Saxidomus 属ウチムラサキ Saxidomus purpurata をここで単独候補で挙げておく。

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