譚海 卷之四 常州外川銚子浦幷紀州加多・江戶佃島等の事
○常州の外川は、銚子のうらつゞきにて紀州領なり。皆漁鼠を業とし、一村妻子を帶する事なし、妻子は紀州の賀多に住する也。又江戶の佃島も紀州賀多の漁人雜居し、一島みな本願寺宗旨にて他宗なる事なし。
[やぶちゃん注:底本では、二箇所の「賀多」に編者が注して、『(加田)』(「田」はママ)とし、後注で、『常州の外川とあるが、千葉県(下総)銚子の南にある漁村。紀州漁夫の出かせぎ漁村として発達した特殊なところ。多くは紀州加太浦のもので、イワシ地曳網漁業の開発によるものであった』とある。現在の千葉県銚子市外川町(とかわまち:グーグル・マップ・データ。以下同じ)。
「紀州加太浦」和歌山県和歌山市加太。]