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2021/10/13

「萩原朔太郎詩集 Ⅴ 遺稿詩集」(小学館版)「第一(「愛憐詩篇」時代)」 月夜

 

  月   夜

 

なにを知るべに君とはん

月夜に

しのびて歌やうたふべき

しのびてわれがうかがふに

きみは月夜に

きみは月夜にふしどをはなれ

かきつばたの花をかぎたまふ

なにをくるしみたまふがに

なやめる夢をかぐなかれ。

 

[やぶちゃん注:底本では制作年を推定で大正三(一九一四)年とし、『遺稿』とする。筑摩版全集では「未發表詩篇」に酷似したものがあるが、微妙に違い、以下に見る通り、未完で放置された詩篇であることが判る。歴史的仮名遣の誤りや誤字はママ。

 

  月夜

 

なにを知るべに君がりとはん、

月夜に

あほ ぎて虫

しのびて唄やうたふべき

しのびてわれがうがゝふに

きみは月夜に

きみは月夜にふしどをはなれ

かきつばたの花をかぎたまふ

なにをくるしみたまふがに

なやめる夢をかぐなかれ、

われは月夜に

 

底本のこれは、この草稿を整序したものとみてよかろう。

「かきつばたの花をかぎたまふ」私はカキツバタ(単子葉植物綱キジカクシ目アヤメ科アヤメ属カキツバタ Iris laevigata )の花の匂いは青臭い印象しかないのだが、日本花菖蒲協会公式サイト「花菖蒲」の、夢 勝見氏の「こちらあやめ漫談 その4 カキツバタ」に、『カキツバタには青臭い香りをもつものがいくつかあるが、一部の実生に、甘い香り(スウィート)と辛い香り(スパイシー)を出すものがあ』る、とあった。いつか、嗅いでみたい。]

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