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2021/10/26

「萩原朔太郎詩集 Ⅴ 遺稿詩集」(小学館版)「第三(『月に吠える』時代)」 靈智

 

  靈   智

 

ふるへる

微光のよるに

いつぱつ

ぴすとるを擊つ

遠方に

金の山脈

かすかな

黑燿石の發光。

 

[やぶちゃん注:底本は初出を大正三(一九一四)年十一月発行の『風景』とする。前の「永日和讃」と同時掲載である。筑摩版全集でも同誌同月号として、以下の初出を示す。

 

 靈智

 

ふるへる、

微光のよるに、

いつぱつ、

ぴすとるを擊つ、

遠方に、

金の山脈、

かすかな、

黑燿石の發光。

 

黒曜石(英語:Obsidian(オブシディアン:英名の元はエチオピアでオブシウス (Obsius)という人物がこの石を発見したとするプリニウスの「博物誌」のラテン語記述による呼称)は「黒耀石」とも書き、近代作家でも野村胡堂などが「黑燿石」と表記し、私は寧ろ、ガラス質の石質の輝きから、「黒耀石」「黒燿石」(「耀」「燿」は孰れも「かがやく」の意)の方が字面からはしっくりくる(但し、「曜」もやはり「かがやく」の意だが、私は寧ろ「黒曜石」とは書かない)から、何ら問題ない。強迫神経症の筑摩版全集校訂本文は「黑曜石」に変えてある。]

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