「萩原朔太郎詩集 Ⅴ 遺稿詩集」(小学館版)「第三(『月に吠える』時代)」 永日和讃
永 日 和 讃
ひとのいのりはみなみをむき
むぎはいつしん
うをはいつしん
われはしんじつ
そらにうかびて
ゆびとゆびと哀しみつれ
たましひは
ねもごろにほとけをしたふ。
[やぶちゃん注:底本は初出を大正三(一九一四)年十一月発行の『風景』とする。筑摩版全集でも同誌同月号として、以下の初出を示す。
永日和讃
ひとのいのりはみなみをむき、
むぎはいつしん、
うをはいつしん、
われはしんじつ、
そらにうかびて、
ゆびとゆびと哀しみつれ、
たましひは
ねもごろにほとけをしたふ。
「讃」は、ここでも、正字「讚」ではない。実は「讃」の字は、中世・近世でも「讃」の表記が既に有意に見られ、また、近代作家でも、「讚」ではなく、「讃」と書く作家は有意に多く、明治期の刊行物でも「讃」となっているものが散見されるのである。]
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