「萩原朔太郎詩集 Ⅴ 遺稿詩集」(小学館版)「第二(淨罪詩篇)」 (無題)(指と指とをくみあはせ)
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指と指とをくみあはせ
高くあげたるつみびとの
あはれいのりの手のうへに
雪はまさにふりつみぬ。
[やぶちゃん注:底本では『遺稿』として推定で大正四(一九一五)年作とする。筑摩版全集では「未發表詩篇」に所収するものがあるが、ちょっと問題がある。以下に示す。歴史的仮名遣の誤りはママ。
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あなたのとほとき奇蹟(ふしぎ)により
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指と指とをくみあはせ
高くあかげたるつみびとの
かゝるあはれいのりの手のうえに
まさをの雪はまさにふりつみぬ、
とあり、編者注で『本稿一、二行目は第三行目以下とつながらないので、抹消されていないが』、『上欄本文には採らなかった』として、校訂本文は一・二行目と波線を除去し、歴史的仮名遣を修正、最後の読点を除去した形で載っている。本篇はこれと同じ原稿を整序したものと推定される。]
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