「萩原朔太郎詩集 Ⅴ 遺稿詩集」(小学館版)「第二(淨罪詩篇)」 (無題)(樹のうへのあやかしをみよ)
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樹のうへのあやかしをみよ
いますべてのあしきことはをはり そのかたちあらはれぬ。
[やぶちゃん注:底本では『遺稿』とし、推定で大正三(一九一四)年とするが、筑摩版全集の「未發表詩篇」にある以下が、ほぼ同一である。以下に示す。
○
樹のうへのあやかしをみよ、
いますべてのあしきことおはれり、そのかたちはあらはれぬ。
[やぶちゃん注:「お」はママ。こちらでは他に、二箇所の読点と、「そのかたちはあらはれぬ」が異なる。さらに、筑摩版の「未發表詩篇」は未発表の詩篇を推定して編年順に並べてあるのであるが、この詩篇よりも前に『一九一五、四』のクレジットを持つ「步行して居る人の印象」が配されていることから、筑摩版は推定で大正四年五月以後に本篇は記されたと推定していることが判る。]
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