「萩原朔太郎詩集 Ⅴ 遺稿詩集」(小学館版)「第一(「愛憐詩篇」時代)」 (無題)(あはれしんめんたる雨の渚路に)
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あはれしんめんたる雨の渚路に
たましひはひたにぬれつつ步むらむ
くねりつつうちよする浪
浪の音のきえさり行けば
うちよする浪の音の
浪の音の消えさりゆけば
たましひは砂丘の影に夢むらむ。
[やぶちゃん注:底本では出典を『ノオト』とするのみ。筑摩版全集では、「原稿散逸詩篇」にあるが、それは本底本に先行する小学館版「萩原朔太郎全集遺稿上」から転載されたもので、既に原稿は失われているようである。]
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