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2021/11/26

萩原朔太郎詩集 遺珠 小學館刊 拾遺詩篇 夜景

 

   夜  景

 

高い家根の上で猫が寢てゐる

猫の尻尾から月が顏を出し

月が靑白い眼鏡をかけて見てゐる

だが泥棒はそれを知らないから

近所の屋根へひよつこりとび出し

なにかまつくろの衣裳をきこんで

煙突の窓から忍びこもうとするところ。

 

[やぶちゃん注:底本の「詩作品發表年譜」によれば、初出誌を大正四(一九一五)年三月発行の『卓上噴水』とする。筑摩書房版全集でも「拾遺詩篇」に載り、同雑誌の同年三月号とする。その初出を示す。

   *

 

 夜景

 

高い家根の上で猫が寢てゐる

猫の尻尾から月が顏を出し

月が靑白い眼鏡をかけて見てゐる

だが泥棒はそれを知らないから

近所の家根へひよつこりとび出し

なにかまつくろの衣裝をきこんで

煙突の窓から忍びこもうとするところ。

 

   *

異同は「屋根」が「家根」で、「衣裳」が「衣裝」であるだけであり、これは小学館版編者の消毒と考えてよい。]

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