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2021/11/25

萩原朔太郎詩集 遺珠 小學館刊 拾遺詩篇 蒼天 / 筑摩版「拾遺詩篇」所収の「蒼天」の別稿

 

  蒼  天

 

いつしんなれば

おほむけに屍體ともなる

つめたく合掌し

いちねん

きりぎりす靑らみ、もはや、

雀みそらに殺さる。

 

[やぶちゃん注:「あほむけ」はママ。「あふむけ」が正しい。底本の「詩作品發表年譜」によれば、初出誌を大正三(一九一四)年十一月発行の『風景』とする。筑摩書房版全集でも「拾遺詩篇」に載り、同雑誌の同年十一月号とする。但し、その初出とは微妙に異なる箇所がある。以下に示す。「あほむけ」はママ。

   *

 

 蒼天

 

いつしんなれば、

あほむけに屍體ともなる、

つめたく合掌し、

いんよくいちねん、

きりぎりす靑らみ、もはら、

雀みそらに殺さる。

 

   *

読点は別としても、四行目の「いんよくいちねん、」が、ただ「いちねん」となっており、また、五行目「もはら、」が「もはや」で、初出誌から採ったなら、こんなミスはし得ない。原稿から写したとなら、「ら」を「や」と誤読する可能性はあっても、「いんよく」を見落とすことはない。されば、これも筑摩版とは異なる別稿ととるべきである。]

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