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2021/11/05

「萩原朔太郎詩集 Ⅴ 遺稿詩集」(小学館版)「第三(『月に吠える』時代)」 (無題)(あたらしい座敷へ蚊帳を吊つてねてゐると)

 

  

 

あたらしい座敷へ蚊帳を吊つてねてゐると

おもての方で蛙の聲がきこえる

空も畑もいちめんの蛙のやうにおもはれる

二階の緣ばたからさきは

はてしもない野原になつてゐるやうだ

さびしい風が吹いてゐる

ちひさな畠やくづ葉のやうなものが

あちこちに

ひらひらとうごいてゐる

しづかに蚊帳のなかでめをつぶつてゐると

はるばるとほい國へきた旅びとのやうな思ひがする。

 

[やぶちゃん注:底本は推定で大正五(一九一六)年とし、『遺稿』とある。筑摩版全集では『草稿詩篇 「原稿散逸詩篇」』にあるが、それは本底本に先行する小学館版「萩原朔太郎全集遺稿上」から転載されたもので、既に原稿は失われているようである。筑摩版では、七行目の「くづ葉」は「くず葉」の誤記とする『〔ず〕』の挿入がある。「葛葉」であろうから、この消毒は、まず、正当であろう。]

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