萩原朔太郎詩集 遺珠 小學館刊 『蝶を夢む』拾遺 (無題)(漕手よ) 筑摩版全集不載の草稿断片
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漕手よ
はや君の家の窓に燈火(あかり)はつけられ
妹はひとり庭にたたづむ
漕手よ 祈禱せよ
*本篇は『蝶を夢む』の草稿に於て「絕望の逃走」と「僕等の親分」の間に置かれてゐたが、改編の際に、前半の部分が失はれたものである。
[やぶちゃん注:「断片」としたのは、最後に附された本底本の小学館版編者の注の謂いから推測した。筑摩版全集には第一巻に「草稿詩篇 蝶を夢む」があるが、数度、見渡したが、この断片は見当たらない。既に失われた草稿原稿と推定される。]
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