萩原朔太郎詩集 遺珠 小學館刊 斷片 (無題)(私たちは舟を浮べる) / 筑摩版全集不載の一篇
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われは空より雪のふりくるけしきをながめんとして
やうやく窓硝子のほとりにあゆみしに
たちまちにしてうつくしき
つつましやかに夫人の影ににたるもの
かうばしき
夕餉の皿をもちはこばんとしたりしが
わが窓の扉の*におとなひ
*ここ一字不明
[やぶちゃん注:注に句点がないのはママ。本篇は筑摩版全集には所収しない。]
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