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2021/12/11

萩原朔太郎詩集 遺珠 小學館刊 遺珠 「竹」(「月に吠える」版)・「月光と祈禱」(「竹」の初出形)

 

      『月に吠える』收載

光る地面に竹が生え

靑竹が生え

地下には竹の根が生え

根がしだいにほそらみ

根の先より纎毛が生え

かすかにけぶる纎毛が生え

かすかにふるへ。

 

かたき地面に竹が生え

地上にするどく竹が生え

凍れる節々りんりんと

靑空のもとに竹が生え

竹 竹 竹が生え。

 

[やぶちゃん注:「『月に吠える』收載」の位置はママ。編者注。しかし、この萩原朔太郎の詩篇中、最も知られた名篇の引用は、これ、正確ではない。既に私は『萩原朔太郎詩集「月に吠える」正規表現版 竹 (同題異篇)』で示しているが(この前に配されてある同題の「竹」は『萩原朔太郎詩集「月に吠える」正規表現版 竹』を見られたい)、由々しき問題なので、以下に示す。

   *

 

  

 

光る地面に竹が生え、

靑竹が生え、

地下には竹の根が生え、

根がしだいにほそらみ、

根の先より纎毛が生え、

かすかにけぶる纎毛が生え、

かすかにふるえ。

 

かたき地面に竹が生え、

地上にするどく竹が生え、

まつしぐらに竹が生え、

凍れる節節りんりんと、

靑空のもとに竹が生え、

竹、竹、竹が生え。

 

   *]

 

 

 

  

     『詩歌』大正四年二月號(「竹」原型)

 

新光あらはれ、

新光ひろごり。

 

光る地面に竹が生え

靑竹が生え

地下には竹の根が生え

根がしだいにほそらみ

根の先より纎毛が生え

かすかにけぶる纎毛が生え

かすかにふるゑ。

 

かたき地面に竹が生え

地上にするどく竹が生え

まつしぐらに竹が生え

凍れる節節りんりんと

靑空のもとに竹が生え

竹、竹、竹が生え。

 

祈らば祈らば空に生え

罪びとの肩に竹が生え。

 

[やぶちゃん注:「『詩歌』大正四年二月號(「竹」原型)」は編者注。この引用も多量の読点と「節節」のルビを除去しており、不全で気に入らない。やはり『萩原朔太郎詩集「月に吠える」正規表現版 竹 (同題異篇)』で示しているが、煩を厭わず示す。歴史的仮名遣の誤りはママ。

   *

 

  

 

新光あらはれ、

新光ひろごり。

 

光る地面に竹が生え、

靑竹が生え、

地下には竹の根が生え、

根がしだいにほそらみ、

根の先より纎毛が生え、

かすかにけぶる纎毛が生え、

かすかにふるゑ。

 

かたき地面に竹が生え、

地上にするどく竹が生え、

まつしぐらに竹が生え、

凍れる節節(ふしぶし)りんりんと、

靑空のもとに竹が生え、

竹、竹、竹が生え。

 

祈らば祈らば空に生え、

罪びとの肩に竹が生え。

          ――大正四年元旦――

 

   *

なお、私の二〇一三年の古い仕儀の「竹 萩原朔太郎 (「月に吠える」の「竹」別ヴァージョン+「竹」二篇初出形)」がある。]

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