萩原朔太郎詩集 遺珠 小學館刊 斷片 (無題)(このごろは低い木の枝などで)
○
このごろは低い木の枝などで
干からびた木の***がひらひらしてゐる
どこかの高原地方をあるいてゆきたい
はてしもなくひろい野原で
きれいな月夜の景色をながめてゐたい
途中でふしあはせの人にあふ
*ここのところ三字不明。
[やぶちゃん注:底本では「*」は一字分であるが、示した注に従い、かく処理した。本篇は筑摩書房版全集では『草稿詩篇「原稿散逸詩篇」』にあるが、小学館版「萩原朔太郞全集」元版の「別册 遺稿上卷」からの転載であり、既に原稿が失われていることが判る。]
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