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2021/12/31

畔田翠山「水族志」 メチ (ヘダイ)

 

(一八)

メチ【熊野三老津】

 熊野海ニ多シ形狀「メダヒ」ニ似テ濶厚淡白色ニ乄背微淡黑色ヲ帶テ

 斑ナシ即「シロヂヌ」也

○やぶちゃんの書き下し文

めち【熊野三老津。】

 熊野の海に多し。形狀、「めだひ」に似て、濶〔ひろ〕く厚し。淡白色にして、背、微淡黑色を帶びて、斑、なし。即ち、「しろぢぬ」なり。

[やぶちゃん注:似ているとする「メダヒ」は「(一四)メダヒ」で私はスズキ目スズキ亜目フエフキダイ科ヨコシマクロダイ亜科メイチダイ属メイチダイ Gymnocranius griseus と比定した。而して、メダイのような斑点がなく、「淡白色」で「背が「微淡黑色を帶び」るとなると、私はスズキ目タイ科ヘダイ亜科ヘダイ属ヘダイ Rhabdosargus sarba ではないかと推定した。「ぼうずコンニャクの市場魚類図鑑」のヘダイを見ると、この乏しい記載とよく一致するように見え、「地方名・市場名」には、最も私が頼りにしている宇井縫蔵の「紀州魚譜」から引いて「ヘヂヌ」「ヘジヌ」を挙げ、『和歌山県湯浅・辰ヶ浜』を採集地とし、さらに「ヒメチヌ」(徳島県阿南市)・「ヒジヌ」(愛媛県三津)がある。「紀州魚譜」の「ヘダイ」では、本書の(二二)の「マキダヒ」をヘダイに比定しているのだが、畔田は(二二)の基本名を「ヘダヒ」で出してある。畔田の記載は、精密な種分類立項にはなっておらず、今までも同一種と思われるものを、複数、別項目で掲げているから、それを以って私の比定が無効であるとは言えない。記載も乏しいので、取り敢えず、現時点では、ヘダイを第一候補としておく。因みに、宇井は「メチ」という名を同書では採用していない。但し、最後に記された「シロヂヌ」の名は、流通・地方名では、ヘダイ亜科クロダイ属キチヌ Acanthopagrus latus を指すようだが、「黄茅渟」であり、異名を「キビレ」(黄鰭)とすることからも判る通り、胸鰭・腹鰭・尻鰭が有意に黄色を呈する。畔田が採れた現物を、直に見ているとすれば、この鰭の黄色を漏らすことはないと私には思われる。

「熊野三老津」現在の和歌山県西牟婁郡すさみ町見老津(みろづ:グーグル・マップ・データ)であろう。]

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