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2021/12/01

萩原朔太郎詩集 遺珠 小學館刊 斷片 (無題)(私たちは舟を浮べる)

 

  

 

私たちは舟を浮べる

浪まに浪をのりこえて海のしぶきにのりゆく舟を

舟、舟、舟、

するどき細きますとをもてるひとつの小舟

ろがいの音もゆたかにのりゆく浪路のうへ

こげよ、こげよ、こげよ、人々

いま私たちの心は悲しむ

どこに寂しむ、潮鳴りの千鳥を聲聲

ながるるものは水なるか

頰につめたき流星の

 

[やぶちゃん注:太字は底本では傍点「ヽ」。筑摩版全集では、「未發表詩篇」に、以下のように出る。「ま白つな」「千鳥を」はママ。太字部分はこちらでは傍点「◦」である。

   *

 

 ○

 

私たちは舟を浮べる、

浪また浪をのりこえて海のしぶきにのりゆく舟を、

舟、舟、舟、

ま白つな白帆するどき細きますとをはりあげたもてる ひとつの小舟

ろがいの音もゆたかにのりゆく浪路のうへ、

こげよ、こげよ、こげよ、人々、

いま私たちの心は悲しむ、

どこに寂しむ、海の鳴潮鳴の千鳥を聲々

ながるるものは水なるか、

みよや 孤獨の月は空に、

頰につめたき流星の

 

   *

後に編者注があって、『本稿には以下がない。五行目「ろがい」の横の〇印は原文のまま。』とある。まず、同じ草稿であろう。]

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