フォト

カテゴリー

サイト増設コンテンツ及びブログ掲載の特異点テクスト等一覧(2008年1月以降)

The Picture of Dorian Gray

  • Sans Souci
    畢竟惨めなる自身の肖像

Alice's Adventures in Wonderland

  • ふぅむ♡
    僕の三女アリスのアルバム

忘れ得ぬ人々:写真版

  • 縄文の母子像 後影
    ブログ・カテゴリの「忘れ得ぬ人々」の写真版

Exlibris Puer Eternus

  • 吾輩ハ僕ノ頗ル氣ニ入ツタ教ヘ子ノ猫デアル
    僕が立ち止まって振り向いた君のArt

SCULPTING IN TIME

  • 熊野波速玉大社牛王符
    写真帖とコレクションから

Pierre Bonnard Histoires Naturelles

  • 樹々の一家   Une famille d'arbres
    Jules Renard “Histoires Naturelles”の全挿絵 岸田国士訳本文は以下 http://yab.o.oo7.jp/haku.html

僕の視線の中のCaspar David Friedrich

  • 海辺の月の出(部分)
    1996年ドイツにて撮影

シリエトク日記写真版

  • 地の涯の岬
    2010年8月1日~5日の知床旅情(2010年8月8日~16日のブログ「シリエトク日記」他全18篇を参照されたい)

氷國絶佳瀧篇

  • Gullfoss
    2008年8月9日~18日のアイスランド瀧紀行(2008年8月19日~21日のブログ「氷國絶佳」全11篇を参照されたい)

Air de Tasmania

  • タスマニアの幸せなコバヤシチヨジ
    2007年12月23~30日 タスマニアにて (2008年1月1日及び2日のブログ「タスマニア紀行」全8篇を参照されたい)

僕の見た三丁目の夕日

  • blog-2007-7-29
    遠き日の僕の絵日記から
無料ブログはココログ

« 譚海 卷之四 下野日光山參詣道幷大谷・ゆづる・岩船等の事 附日光山萬の行者の事 | トップページ | 小酒井不木「犯罪文學研究」(単行本・正字正仮名版準拠・オリジナル注附) 「マクベス」の硏究 /「一」~「三」 »

2022/01/01

甲子夜話卷之六 36 大石藏之助自畫像

 

6-36 大石藏之助自畫像

播の赤穗にて、大石内藏助が自畫迚、自ら像を畫がきしを摸版にして售る。但、復讎の前、かの奴の又助と云るに、畫きて形身に與しものと云。其像、小きあみ笠を冒り、まき羽織にして、袴を高股だちに奉り、脛を露せり。又、双刀を、おとし指に帶たるが、殊に長劍にして、角鍔なり。奴は【又助。】いと鬢にて、衣を臀の見ゆるほど高く揭げ、長き一刀をさす。是は大石が身を匿してありしとき、仇家の物色を畏れ、わざと酒色に耽り、他念なきものと人に思はせんとて、屢、娼門に遊しとき、彼僕を從へ行しゆゑ、生別の贈と爲しと也。花柳に赴ものは其體も游冶ならんに、今の容態とは眞に殊なり。これにても、その時世の風俗を見るべきなり。

■やぶちゃんの呟き

「播」播磨の略。

「摸版」「もはん」。似せて描いたものを板刻にして刷り出したもの。

「售る」「うる」。

「冒り」「かぶり」。

「高股だち」「たかももだち」。

「脛」「すね」。

「おとし指」「おとしざし」。「落とし差し」。刀を無造作に垂直に近い形に腰に差す差し方。

「生別」「しやうべつ」と読んでおく。

「爲し」「なせし」。

「游冶」「いうや」。「冶」は「飾る」の意。遊びに耽り、容姿を飾ること。また、その男(そうした遊び人を「遊冶郎」(ゆうやろう)とも呼ぶ)。

« 譚海 卷之四 下野日光山參詣道幷大谷・ゆづる・岩船等の事 附日光山萬の行者の事 | トップページ | 小酒井不木「犯罪文學研究」(単行本・正字正仮名版準拠・オリジナル注附) 「マクベス」の硏究 /「一」~「三」 »