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2022/01/16

萩原朔太郎詩集「宿命」「散文詩」パート(「自註」附) 船室から / 原本画像添付

 

Senisiukara

 

   船 室 か ら

 

 嵐、 嵐、 浪、 浪、 大浪、 大浪、 大浪。 傾むく地平線、 上昇する地平線、落ちくる地平線。 がちやがちや、 がちやがちや。 上甲板へ、 上甲板へ。 (チエン)を卷け、 (チエン)を卷け。 突進する、 突進する水夫ら。 船室の窓、 窓、 窓、 窓。 傾むく地平線、 上昇する地平線。 (チエン)、 (チエン)、 (チエン)。 風、 風、 風。 水、 水、 水。 船窓(ハツチ)を閉めろ。 船窓(ハツチ)を閉めろ。 右舷へ、 左舷へ。 浪、 浪、 浪。 ほひゆーる。 ほひゆーる。 ほひゆーる。

 

[やぶちゃん注:「」は「鎖」の異体字。本篇では底本の句読点の後の有意な空き(単なる活版の組み方或いは句読点の活字の性質によるものに過ぎない)が、明らかにヴィジュアルに与える感じが異なるので、かく句読点の後を空けた。所謂、乗船中の主に外洋でのローリングやピッチングの強烈なうねりが視覚的に表現されているように原本では見える(偶然なのだが)ように感ずるからである。リンクだけでは気が済まない。底本の国立国会図書館デジタルコレクションの画像をトリミング補正(汚損も可能な限り除去した)して添えておく。以下の初出(本文自体にも異同が有意にある)と比べて、明らかに印象が異なる。

初出は「新しき欲情」の「第五放射線」パートの「作品番號」「258」。以下に示す。「上昇する地平線」の後は改行で句読点がないが、躓くので、一字空けを施しいておいた。

   *

     258

船室から  嵐、嵐、浪、浪、大浪、大浪、大浪。傾むく地平線、上昇する地平線 落ちくる地平線。がちやがちや、がちやがちや。上甲板へ、上甲板へ。鎻(ちえん)を卷け、鎻(ちえん)を卷け。突進する、突進する水夫ら。船室の窓、窓、窓、窓、傾むく地平線、上昇する地平線。大洪水、大洪水。風、風、風。扉(どあ)を閉めろ、扉(どあ)を閉めろ。ほひゆーる、ほひゆーる、ほひゆーる、る、る、る‥‥‥‥(暴風雨の幻想として)

 

   *]

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