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2022/02/02

毛利梅園「梅園介譜」 水蟲類 石蟹 / サワガニ

 

[やぶちゃん注:底本の国立国会図書館デジタルコレクションのここからトリミングした。なお、実際には、以下の画像の左上部には、前の「ワレカラ」の解説があるのだが(これは本カテゴリの初期に好き勝手にランダムに電子化注した際のこちらにある)、五月蠅いので、今まで同様、文字のない本丁の一部分を切り取り、それをそこに貼りつけて、意図的に消してある。]

 

Isigani2

 

石蟹【「赤かに」(「綱目」)・「石がに」。】

 

此の者、海波の打つ石の下に住む「石蟹」とは別物にして、山間の小流れの石涯(いはがけ)の間に住む。往〻、水屋(みづや)の溝なぞにも住めり。

 

[やぶちゃん注:これはもう、日本固有種で、一生を淡水域で過ごす純淡水性のカニである、

短尾下目サワガニ上科サワガニ科サワガニ属サワガニ Geothelphusa dehaani

である。詳細はウィキの「サワガニ」を見られたいが、吃驚したのは、最後の「近縁種」の項に、実に十九もの種が記載されていることであった。これについては、『トカラ列島以南の南西諸島にはサワガニは分布しないが、近縁種が』、『多数』、『分布する。これらは孤立した島嶼や半島部で独自の種分化を遂げたものと考えられているが、同時に分布が局地的で、ほとんどの種類が絶滅危惧種となっている』とある種群である。なお、本図を陸上のかなりの高度の地域にまで生活圏を持つ短尾下目イワガニ上科ベンケイガニ科アカテガニ属アカテガニ Chiromantes haematocheir ではないかとされる方もいるやも知れぬが、「山間の小流」と言い、人家の「水屋」(台所)「の溝などにも住」むと言っており(海が近ければ、アカテガニは台所に侵入してくることは、ある)、成長過程で一時的に海中で生活しなければならず、繁殖期や♀の産卵に海に近い位置から有意に遠く離れることは出来ないアカテガニは、川の中流域周辺以上には見られず、「山間」というのは、彼らの棲息域に馴染まない表現である(海に近ければ、結構な高い場所には、いる。紀州の神倉神社のゴトビキ岩(グーグル・マップ・データ。御神体のそれは標高十八メートル)への参道に沢山いたのを観察したことがある。「大蟹小蟹 伊良子清白」の私の注を参照)し、アカテガニの鉗脚の掌指部はもっと大きい(♂では大きく肥大し、赤みも図よりもっと強い)ので、違うと私は判断する。なお、昔は、大船の私の家の近くにもさわに居たものだった。玉縄城址に向うには幾つかの切通しルートがあるが(今、私のこの書斎正面に見えるのは「ふあん坂」という不思議な名だ)、その何処にも、やや青白いのやら、紫色のやら、赤いのやらが、ゴマンといた(個体によって体色がかなり異なる)。本種は野人ならずとも食用種であるが、ついては、やはり、アメリカザリガニやモクズガニなどと同様、肺吸虫による感染リスクの高い種であることを認識していないといけない。肺吸虫については、『毛利梅園「梅園介譜」 水蟲類 福蟹(フクガニ) / ニホンザリガニ』の私の注を参照されたい。

『「赤かに」(「綱目」)』「本草綱目」の巻第四十五、「漢籍リポジトリ」のこちらの、終わりから二項前の[106-21b]を参照(標題「蟹【「本經」中品。】」は前のページだが、それだけしかない)されたいが、「赤蟹」の文字列はない。恐らく、「生溪澗石穴中、小而殻堅赤者、石蟹也。野人食之。」とあるのを指していよう。海外の動物を販売するサイト(私は結果して生物学的に甚大な生態系の攪乱を担っているこうしたサイトに対しては非常な嫌悪感を持つ)などを見ると、中国産の淡水蟹として、ホントかどうかも判らぬが、恐ろしく真っ赤なサワガニ科 Potamidae sp.と記した個体の複数の写真は見つけた。

「石涯(いはがけ)」は私の当て訓であるが、「石」は「岩」を、「涯」は「氵」で「水際(みぎわ)」を、「厓」が「崖」で、「水辺に近い岩石質の崖」の意と採った。]

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